柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『豪華三本立て!トミカプラレール映画まつり』 -マジカルパスポートが欲しくなる、小学生の夢企画 (柳下毅一郎) -2,345文字-

FireShot Screen Capture #148 - '「豪華3本立て!トミカ・プラレール映画まつり」公式サイト' - tomica-plarail_com

 

『豪華三本立て!トミカプラレール映画まつり』

総合演出 岡本知朗
出演 CHI-MEY、須田瑛斗、梅田みさと

 

ico_yan プラレール! プラレール知ってるよ! オレが子供のころ流行ってたよ! 昔から子供は鉄道が好きなものである。当然欲しいのは鉄道模型。だが本格的なHOゲージは高いしで子供が買ってもらえるのはプラレール。車輪とか思いっきり簡略化されたあれ。で、あの青いレールを敷いて家の中で新幹線をぐるぐる走らせながら、HOゲージを敷いてるお金持ち(あるいはお父さんがマニア)の家に思いを馳せていたものである。

そのプラレール、今も現役だという。

そのことにも呆れたが、それがなんと映画化されてしまうというんだから恐れ入った。だがレーダー作戦ゲームモノポリーが映画化されてしまう時代なんだから、プラレールが映画になったっていいじゃないか!

……実をいえば、タカラトミーはもうひとつの看板おもちゃトミカ(ミニカー)のほうでもトミカヒーローシリーズ なる特撮テレビ番組を作ったりしているので、映像化にはかならずしも門外漢ではない。だが映画というのは……おそらくは空前にして絶後の試みとなるであろうこの一作。なんと豪華三本立てでの公開だ!

さて「豪華三本立て」ということで、短編映画三本の構成。メインとなるのは「ようこそ!トミカプラレールタウン」。トミカとプラレールを心から愛する少年だいちくんがトミカの魔法で人形サイズになって、プラレールの街に行く大冒険。これにヒーローもの「爆走!トミカイザー スーパートミカイザーvsスーパーレールカイザー」とトミーのおもちゃレンジャー部隊が活躍する「トミカハイパーチーム 炎の共同作戦」がつく。クッションとなるのはチーミーとみさとお姉さんの二人(誰なんだこいつら)によるガイドと、トミカで模型化されている変わり種自動車の実写映像(前田製作所、かにクレーン!とちゃんとメーカー名まで読み上げてくれるところがスペック命の小学生っぽい)や、家じゅうにプラレールを縦横無尽にめぐらせて走らせまくる小学生にとっての夢企画がはさまる。すべてが小学生の夢ですよ!

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tags: アニメ 岡本知朗

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