柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『カラアゲ☆USA』 大分と言えば・・・唐揚げだ!鶏肉の味がわからない人たちが作った唐揚げ最高!(柳下毅一郎) -3,654文字-

FireShot Screen Capture #034 - '映画『カラアゲ★USA』公式サイト' - www_u-picc_com_karaageUSA_index_html

 

『カラアゲ☆USA』

監督 瀬木直貴
脚本 山田耕大
音楽 長岡成貢
出演 高橋愛、浅田美代子、石丸謙二郎、渡辺美佐子、ダンテ・カーヴァー、海東健、中村ゆうじ

 

ico_yan「ゆーえすえー」ではなく「うさ」と読みます。USA、すなわち大分県宇佐(うさ)市発のご当地ムービー。監督の瀬木直貴は当HPではすでにRoute 42でおなじみ「自然や地域コミュニティーをモチーフにした作品に定評がある」=日本中を渡り歩いてご当地映画を作ってます映画監督。これがなぜか元ハロプロリーダーの高橋愛と組んで、大分県の町おこし映画に挑む。大分と言えば……唐揚げだ!

いや知らないけど。なんでも日本でも鶏肉消費量トップを争う鶏肉料理大国・大分県の中でも唐揚げに特化しているのが大分県宇佐市。日本初の唐揚げ専門店は昭和30年代に宇佐で生まれ、今にいたるまでケン×ッキーの出店はないフライドチキン不毛の地だという。そんな宇佐市はUSAからあげ合衆国と称してからあげで町おこしを狙っているのだった。こんななんの役にも立たない豆知識がさずけられてしまうのがご当地映画のいいところですね!

一陣の風とともに彩音(高橋愛)が故郷の宇佐市に帰ってくる。彼女は唐揚げ専門店「とり一番」の跡取り娘だったが、アメリカ人クックのランディと恋に落ち、駆け落ちしてしまったのである。それから数年後、ひょっこりと戻ってくると、黒人の娘シャーリーを連れている。

「……おまえ、そんな……」

「違うわよ! 年見ればわかるでしょ。この子はランディの連れ子! だいたいなんで唐揚げ出すのよ! 嫌がらせ!?あたしが鶏肉食べられないの知ってるでしょ!?」


数年ぶりに帰ってきたと思ったら、しおらしい態度どころかこの逆ギレぶり。そして鶏肉食べられないのかよ! この映画の前提がすべてひっくり返るどんでん返しなんですがなんなの。これに限らず、この映画唐揚げに対する愛がない、というか食べ物の扱いがいちいち雑というかなんというか。せめて見終わったあと唐揚げ食べたくさせてくれないとダメだと思うんだけどなあ。

 

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tags: お祭り グルメ ハロー!プロジェクト 中村ゆうじ 地方映画 大分県 宇佐市 浅田美代子 瀬木直貴 町おこし 高橋愛

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