「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「GKなのに7キロ以上走っているから今までよりも疲れる。前へ後ろに大忙しだから。シュンさん(中村俊輔)には『走り過ぎだろ』と言われた(笑)」 [飯倉大樹インタビュー(第2回)]

 

【飯倉大樹選手インタビュー(第2回)】

実施日:3月22日(木)
インタビュー・文:藤井 雅彦
協力:横浜F・マリノス広報室

 

 

ロングボールがハイラインの背後を襲う。次の瞬間、低い重心でスプリントを繰り出した背番号21が閃光のごとくヘディングクリアする。クリアの行方にかかわらず一目散にゴールマウスへ戻り、涼しい顔でプレーを再開させる。

GKの高い位置取りを見て、相手はハーフウェーライン付近からゴールを狙ってくる場面も。浦和レッズ戦では冷や汗を流した。それでも「11人全員が関与していれば入らないと思っている」。

アタッキングフットボールの体現者は、チームの最後尾にいる。

 

 

前回からつづく

 

――これだけゴールから離れて守った経験は過去にありますか?

「ないよ!(笑)。最近、子どもからファンレターをもらって『飯倉選手のようにゴールを離れて守ってみたら、とても怖かったです』とメッセージが書かれていた。その気持ちすごく分かるよー。オレもまったく同じように感じているから(笑)。見ている人もスリリングだろうけど、一番ハラハラドキドキしているのは自分だと思う」

 

――ゴールを守っているというよりも、チームを守っているという感じです。

「簡単に言うと、ゴール前で止めるのか、もっと前で止めるのかということ。相手陣内からハイプレッシャーをかけて、最終ラインもハイラインに設定しているのに、自分だけゴールにへばりついていたらチームとして機能しない。相手ゴールが1で自分たちのゴールが10だとしたら、チームとしてはできるだけ高い位置の4とか5の地点でボールを奪おうとしている。それならば6とか7のエリアは自分がカバーしなければいけない。すごいロングシュートを決められることよりも、6とか7を自由に使われることのほうが失点につながる確率は高い」

 

――浦和レッズ戦では際どいロングシュートを打たれました。試合後には「ヒヤリとした」と話していましたが。

「あのシーンはボールを見ないで戻ったね(苦笑)。でも外から見ている以上に、あの距離のロングシュートは難しいはず。最高のタイミングでなければ決まらないし、周りからのプレッシャーもある。シュートが外れた時に簡単にマイボールを失うという心理も絶対に働くから」

 

 

 

――今シーズン中、決められない自信がある?

「決められない努力はしているつもり。まずはフィールドプレーヤーがプレッシャーをかけてくれると信じている。そのプレッシャーがあって、当然オレも一生懸命戻るから、すごく精度の高いシュート以外は入らない。監督がよく言うように『11人全員が関与していれば』入らないと思っている」

 

――では、反対にあの類のシュートを決められる選手はJリーグにいると思いますか?

 

 

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