「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

實藤友紀獲得について小倉SD「(水沼)宏太や大津、タカ(扇原貴宏)といった中心選手とは世代別代表で一緒にプレーしていることも重要なポイントだった」 [小倉SDに聞く vol.3]

 

前回からつづく

 

水沼宏太やオナイウ阿道、梶川裕嗣ら9人の新加入選手を加えた2020年版マリノスは意気揚々と新シーズンに臨んだ。

初戦はリーグ王者と天皇杯王者が激突する、富士ゼロックス・スーパーカップのヴィッセル神戸戦。前半はおとなしい内容に終始してリードを許したが、後半に巻き返してタイスコアに持ち込む。PK戦の末に敗れた一戦には、収穫と反省の両方があった。

今季初の公式戦について、小倉勉スポーティングダイレクター(以下、SD)はこのように見解を示す。

「(畠中)槙之輔を前半で交代させたように、時期的にもいろいろな選手を試す意味合いがあったと思う。選手交代の人数などレギュレーションもリーグ戦とは違い、数日後にはACLの開幕戦が控えているタイミングだったことも大きい。試合としては前半に集中力を欠いて相手に主導権を握られたけど、後半は持ち直すことができた。去年はたしかに優勝したけれど、自分たちはまだまだ挑戦者。あらためてゼロからのスタートだと再確認できたゲームだった」

 

 

昨年の優勝は誇らしい。しかし今年の成功まで保証してくれるわけではない。

こうして再スタートを切ったマリノスは、2014年以来となるアジアの舞台へ。AFCチャンピオンズリーグ(以下、ACL)である。

 

 

初戦はアウェイで全北現代と、第2節はホームでシドニーFCと対戦。見事な2連勝を飾った。小倉SDは「自分たちのやりたいサッカーがある程度できた」と合格点を与えた一方で、国内リーグとアジアの戦いの性質の違いを感じていた。

「韓国や中国のチームは個の能力を前面に押し出して戦うスタイルが主流。特に前線には能力の高い外国人アタッカーがいて、カウンターには注意しなければいけない。ただマリノスとの対戦については、スカウティングしていても実際に戦うと面食らう部分があったのではないか。その点でJリーグのチームはマリノスのスタイルを把握しているし、対策を練ることが得意。開幕戦で対戦したガンバがそうだったように…」

 

 

ACLでの2連勝によってマリノスは完全な上げ潮ムード。しかしJリーグ開幕戦は、ガンバ大阪が講じてきた対策の前に攻めあぐねる。ミス絡みの失点を喫し、後半は押し気味に試合を進めたが1対2で敗戦。悔しい結果となったが、小倉SDは至って冷静だ。

 

 

 

ヨコエク

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