信じよう、マリノスを [J33節・新潟戦レビュー] (藤井雅彦)
認めることから再出発しよう。アルビレックス新潟は間違いなく強かった。「今までの中で新潟が一番守備が堅かった」(中村俊輔)。前線から激しくプレッシャーをかけられ、中盤でボールを失った。新潟の最終ラインは常に前向きに対応して、マリノスの攻撃をはね返す。前半は何もできずに終わった。
その一方で、後半に入って主導権を握ることは容易に想定できた。これまでの試合でも、前半苦しんでも後半に持ち直すケースが多かったからだ。実際、新潟戦も似た展開となり、齋藤学の個人技を軸に押し込んだ。
しかし、押し込んだ末に獲得したセットプレーを生かしきれなかった。後半だけで8本を数えたCKをゴールに結び付けられず、中村俊輔の直接FKも決まらなかった。すると逆にセットプレーで先制を許し、前がかりになった背後のスペースを突かれてカウンターから2失点目を喫する。もう一度言おう。新潟は強かった。
しかし、マリノスには次がある。勝てば無条件で優勝を決められる状況は次節も変わらない。「優勝しなきゃいけないというプレッシャーを感じて、それを受け止めながらポジティブにやっていく」(中村)。ただ先延ばしになっただけだ。一週間後の川崎フロンターレ戦で決めればいい。
信じよう、今年のマリノスを。ここまで18チームで最も多くの勝ち点を稼いできた。連敗は一度もない。窮地に立たされて、強さを発揮してきたはずだ。だから次こそは、勝つ。今年こそ、成し遂げなければいけない。