藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」

沖縄キャンプ初日における最大の驚きは、比嘉祐介の人気ぶり [キャンプレポート初日 -沖縄-] 藤井雅彦 -2,439文字-

沖縄キャンプ初日における最大の驚きは、比嘉祐介の人気ぶりである。いや、もちろん彼は愛されるキャラクターのため、横浜でもファン・サポーターの多い選手だ。ただし、沖縄県内でのそれは、横浜とはくらべものにならない。

練習初日は日曜日ということもあって、練習グラウンドには約1,000人のファンが駆け付けた。そのほとんどが沖縄県民であり、その人たち大部分のお目当てが比嘉だったのである。練習後、ファンサービスエリアでサインを求めるファン全員に丁寧な応対を見せた。比嘉にサインを求めたファンの人数は、あの中村俊輔と同等か、あるいはそれ以上だったかもしれない。沖縄県内での知名度と人気は、日本を代表するプレーヤー・中村と肩を並べるのだ。

さて、本題のトレーニングである。選手たちは午前中に沖縄入りし、15時30分から練習をスタートした。練習前には練習グラウンドのある中城村から歓迎セレモニーを受け、キャンプならではのほのぼのとした空気を感じさせた。

エリク・モンバエルツ監督は始動日以降、練習1コマをすべて90分以内に終えている。それはこの日も例外ではなく、約90分間の練習が行われた。特筆すべきは「足を止める時間がほとんどないこと」(伊藤翔)だろう。給水タイム以外、選手たちは全員が必ず足を動かしている。順番待ちするような場面はほとんどない。あっても2~3人の列なので、すぐに自分の順番がやってくる。もちろん意識的にそういった状況を作り出しているというわけだ。

小林祐三が「いまのところ当たり前のことしか言っていない」と話すように、指揮官からの突拍子もない発言は聞こえてこない。スタンドから取材を行っていても「ファーストタッチ!」という声がよく耳に入る程度だ。それと同時に褒めるような言葉を多く発する。「ブラボー!」や「グッドパス!」といった具合に。一概に比較できないが、樋口体制よりも明らかにその回数は多い。

そういった効果もあってか、選手たちは前向きな気持ちでトレーニングに臨めているようだ。「新しい刺激を受けていることは練習の雰囲気に表れていると思う」(小林)。フィジカルトレーニング中心のメニューということもあり、全員で声を出し手鼓舞し合うような場面も見られた。内容は大事だが、まず意欲的に取り組む姿勢が大切なのだ。そうでなければトレーニングは意味のないものになってしまう。

初日の練習を別メニューで過ごしたのは矢島卓郎と中村俊輔、そして対人プレーのみラフィーニャも外れて別メニュー調整だった。左足首痛が心配される中村は基本的なボールトレーニングやランニングなどを行っているが、患部の状態は一進一退の様子。けがの状態について尋ねると本人からは「うーん…」と微妙なリアクションが返ってきた。腰痛でメニューを制限しているラフィーニャは問題なさそうで、矢島は宮崎キャンプからのフル合流を目指している。

日中の気温は20℃を超える温暖な気候の下、マリノスは一次キャンプをスタートさせた。練習時間以上に中身の濃い内容だけに、知らずしらずに負荷がかかっているのは間違いない。開幕まで6週間あるとはいえ、負傷者が出ればチーム作りに支障が出る。現在、別メニュー調整中の選手も含めて、全員が順調に残り5日間を過ごすことが願いたい。

 

【コメント】

エリク・モンバエルツ 監督

「沖縄キャンプの目的としては、プレシーズンなのでフィジカルコンディションを上げていくこと。その中で戦術的な要素も入れていく。選手のトレーニングに臨む姿勢には満足している。私も要求するレベルを上げていく。開幕まで7週間という準備期間はいいと思う。オフに休養をとることも必要だし、7週間あれば十分に準備できる。来日する前に映像で選手の特徴を見てきて、いまはそれを確認している途中。今回のキャンプが終わる頃にはハッキリと特徴がわかるだろう。キャンプが終わったときにだいたい75%から80%のコンディションに持っていきたい。いま持久力は高いレベルにあるが、オフ明けなのでパワーや筋力は少し下がっている。それを上げていく」

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