「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「マリノスでサッカーをするのは楽しい」(天野)・「大好きで尊敬しているドゥトラの背番号5をつけたかった」(ファビオ) [キャンプレポート2日目 -沖縄-] 藤井雅彦 -2,434文字-

 

まずは訂正から。昨日の原稿で、キャンプ初日に訪れたファンの数を約1,000人と記したが、実際は1,800人を超えるファンの数だったという。注目度の高さの表れでもあるので、ここは正確に伝えなければいけなかった。キャンプ2日目は平日だったこともあり初日ほどの大入りではなかったが、それでも午前と午後の練習後はサインを求めるファンで賑わっていた。

キャンプを行っている中城村には世界文化遺産である中城城跡があり、豊かな土地と景観に恵まれた地域である。ごさまる陸上競技場のすぐ横には美しいビーチがあり、逆側には力強い山々を見渡せる。横浜、あるいは那覇ほど都会ではないが、魅力がたくさんある村だ。ちなみに筆者はグラウンド横にある『麺家にらい』で軟骨ソーキそばを食し、とても美味であったことを記しておく。

さて、チームである。沖縄キャンプは2日目のこの日から2部練習をスタートさせた。午前中はパワー系のフィジカルトレーニング5種目をローテーションでこなし、その後は3対3や7対7などの対人練習を行う。時間はこれまでの90分を少し超えて1時間40分程度。午後は2タッチ以内のボール回しに続いて、ゴールをペナルティエリアラインに置き、守備を意識したフォーメーション練習。最後はインターバル走で締めた。

フォーメーション練習では昨年の主力メンバーがチームを構成し、そのほかの選手がもう1チームを作った。ディフェンスラインに右から小林祐三、栗原勇蔵、中澤佑二、下平匠、ボランチに中町公祐と富澤清太郎。そして2列目は右から兵藤慎剛、中村俊輔、齋藤学、1トップに伊藤翔という顔ぶれが並ぶのは、決して偶然ではないだろう。エリク・モンバエルツ監督はかなりの数のマリノスの試合を映像で確認してきたようで、まずは昨季の主力選手を中心に考えているのかもしれない。

このように真っ白なキャンパス状態ではない指揮官は、映像と実際のプレーの答え合わせをしていると思われる。想像以上の選手がいれば、逆に想像以下の選手がいてもおかしくない。もう1チームのメンバーに触れると、佐藤優平や天野純は十分に持ち味を発揮し、中盤で存在感を見せていた。彼らが今後どのように主力組に関わっていくか。キャンプの見どころと言えるだろう。

そして心配事が一つ。マリノスタウンでの練習で左足首を痛め、その後は部分合流だった中村である。この日も前述したようにフォーメーショントレーニングに加わったが、最後のインターバル走を途中で切り上げた。現在は左足首だけでなく右足首にも痛みを抱えており、引き上げる際は足を引きずっていた。中村は「練習量を調整していくしかない」と苦い表情を見せた。

少しずつではあるがチーム作りを前に進めていく新監督の横で、大黒柱が苦しんでいる。最後は「明日は明日の風が吹くよ」と笑って選手バスに乗り込んだ中村。はたして背番号10は明日の練習にどれくらい参加できるのか。気がかりである。

 

【コメント】

エリク・モンバエルツ 監督

「自選手に求めるものがあって、選手はそれに応えてくれている。だから、それにフィードバックする意味でも褒めることでそういうメッセージを込めている。自分たちが目指すサッカーに対して良いプレーができれば、ナイスプレーと伝えていく。それを続けることが選手に自信を持たせることにつながる。選手も監督も感情のコントロールが大事。コントロールしながら必要なことを伝えていきたい。高い要求をしていくが、ポジティブに回るようにしていきたい。(居残り練習について)トレーニングをもっとしたいという選手は高いモチベーションを持っていると考えている。それを大事にしてやっていきたい。まだ始動したばかりでシーズンが始まればいろいろあると思うが、基本的には選手の気持ちを尊重していく」

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