「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「この試合で2点取る」 …もっとも注目を集めたのは1トップで出場したユース所属の和田昌士(高校2年)[練習試合甲府戦 / 宮崎キャンプ12日目レポート] 藤井雅彦 -1,726文字-

 

【練習試合リザルト】

日時:2月14日(土)10時30分~

対戦相手:ヴァンフォーレ甲府(J1)

形式:45分×2本

結果:2-0(2-0、0-0)

得点者:1本目8分和田昌士(横浜FMユース)、1本目30分和田昌士(横浜FMユース)

 

 

けが人が多く、練習生二人とユースから計3選手を借りなければ試合ができない状態である。それだけでなく本来はSBの天野貴史と比嘉祐介はサイドMFで試合に出場しなければいけないほど、台所事情は苦しい。ファビオと三門雄大は前日のガンバ大阪戦でそれぞれ45分間ずつプレーし、この日もスタメン。熊谷アンドリューは左太もも打撲が癒え、さっそく試合出場となった。

だが、この日もっとも注目を集めたのは1トップで出場したユース所属の和田昌士(高校2年)だった。まずは比嘉からの折り返しをスライディングシュートで決め、さらに前半のうちに追加点をもたらす。「この試合で2点取る」という試合前の言葉どおりの働きで、まさしく有言実行となった。

4-3-2-1_2015クオリティーの高さの証明は、ゴールだけではない。本来のポジションではない1トッ プで、コミュニケーションすらままならない状況での出場となったが、周囲と円滑に絡んでチャンスを作り出していく。プレー面では、ターンの技術が素晴らし い。どの方向から来たボールでも滑らかなタッチで前を向き、次のプレーへと移行できる。そのスキルは、もしかしたらトップチームの誰よりも上の可能性があ る。

フィジカルにも恵まれている選手で、176mで73kgという体格も、ほぼ完成されている。プロに当たり負けしないフィジカルは貴重で、体作りからスタートする必要がないのは大きい。試合では後方からのハイボールをヘディングでフリックする技術の高さも見せ、空間察知能力に優れていることも垣間見えた。

おそらく彼は現時点でもトップチームに混ざってプレーし、なおかつ活躍できるポテンシャルを秘めている。この1試合だけですべてを判断できないとはいえ、素質は間違いない。和田について、育成年代を指導していたエリク・モンバエルツ監督は「プロのクラブが良い育成組 織を持っている証。でも彼をトップチームに入れるかどうかはクラブ全体として考えていくこと」と慎重な姿勢を示したが、即戦力になる逸材をいつまでもユー スに置いておくのはクラブにとって有益ではない。二種登録はもちろん、その先も見据えた判断があってもいい。

 

 

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