「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

保有選手は、当初の予定より若干多い。始動日以降もまだ出入りはあるはず [今季のチーム編成についてvol.5] 藤井雅彦

20151127_124128

 

10日、横浜F・マリノスはGK鈴木椋大(21)がJ2・東京ヴェルディに期限付き移籍することを発表した。鈴木はユースから2012年 にトップチームに昇格したが、以降は度重なる負傷に泣かされていた。昨季は念願の公式戦デビューを飾り、出場したナビスコカップ予選リーグ・モンテディオ 山形戦でチームの完封勝利に大きく貢献。しかし榎本哲也と飯倉大樹の壁は高く、リーグ戦出場の経験はゼロのままだった。

そういった状況下で本人とクラブは、出場機会を得るために期限付き移籍する方針で合致していた。もちろん受け皿がなければ叶わないことだが、そこで手を挙げたのがJ1昇格を目指す東京ヴェルディである。公式戦デビューを勝利で飾った後、鈴木は「試合に出て自分がある程度できる手ごたえを得た。その自信をより大きなものにするためには、コンスタントに試合に出なければいけない」と次なるステップを見据えていた。

今年で榎本は33歳、飯倉は30歳になる。GKはフィールドプレーヤーと比較して年齢に影響されにくいポジションとはいえ、クラブとして次代を担う選手を育てる必要はある。その筆頭候補が鈴木であり、もうすぐ22歳になるという早いタイミングで他クラブを知るのはポジティブに考えるべきだろう。鈴木には今年1年レギュラーポジションをつかんでトリコロールに経験を還元することが期待される。

そして鈴木が抜けたGK陣には、Y.S.C.C横浜から高橋拓也(26)を獲得した。高橋はジュニアユースまでマリノスに所属し、その後は日大藤沢高校から神奈川大学を経由してY.S.C.Cへ。昨季はJ3リーグで36試合に出場していた。これまでもマリノスのGK陣に負傷者がいるタイミングで練習参加した経験があり、松永成立GKコーチが彼のプレースタイルを理解していることも大きかった。GKを4選手保有すると練習で2つのペアを作ることが可能になる。そういった点でも意味のある補強となった。

以下、1月10日現在でマリノスが保有する選手一覧だ。

 

GK:榎本哲也、飯倉大樹、(高橋拓也)、田口潤人

CB:中澤佑二、栗原勇蔵、ファビオ、北谷史孝、(新井一耀)、(パク・ジョンス)

右SB:小林祐三、(金井貢史)

左SB:下平匠

ボランチ:中町公祐、三門雄大、熊谷アンドリュー、喜田拓也

右MF:兵藤慎剛、天野純、仲川輝人

左MF:齋藤学、佐藤優平(前田直輝)、(遠藤渓太)

トップ下:中村俊輔、藤本淳吾、中島賢星

1トップ:ラフィーニャ、伊藤翔、(富樫敬真)、(和田昌士)

 

以上、計31人。登録別に分類するとGKが4選手、DFが9選手、MFが14選手、FWが4選手というバランスになる(すべて年齢順で()は新加入選手)。

また、この日は数多くの主力選手との契約更新が発表された。最注目はラフィーニャの残留だろうか。複数年契約が残っているとはいえ、ここまでの1年半の稼働率はあまりにも低い。そういった状況を見かねたフロントが放出に傾いて動く可能性もあったが、結果は残留という道に。しっかり稼働すればリーグ屈指のポテンシャルを持つアタッカーだけに、今季は引き続きラフィーニャの稼働率がチームの明暗を分ける。

 

 

410732e6929a040dd4c6454865ef7753

(残り 287文字/全文: 1617文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ