「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

齋藤学、海外移籍への思い [プレシーズン連載 :今季のキーマンvol.2] 藤井雅彦

開幕までに今季のキーマンを紹介していく不定期連載。第2回は攻撃の中心人物として、あるいは日の丸を背負ってのさらなる飛躍が期待されるMF齋藤学だ。今オフ、サポーターを最も安心させたのは彼の契約更新リリースだったのではないだろうか。欧州の移籍ウインドーが開く冬と夏に毎回噂される海外移籍への思いを聞いた。そして横浜F・マリノスを背負って闘う“覚悟”とは…。

 

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背番号11が日産フィールド小机のグラウンドを元気に走っている。正確には背番号発表前だが、今季もマリノスでプレーするのなら背中にはトレードマークの11番があるはずだ。

昨季は自己最多となるシーズン7得点をマークした。1stステージこそわずか1ゴールにとどまったが、それは中村俊輔不在のチームでゲームメーカーとしての役割を担っていた影響も大きかった。中村がけがから復帰し、アデミウソンが右MFを定位置とした2ndステージはゴール前での仕事が増え、結果的に6ゴールを記録。「2ndステージはより数字にこだわる」と宣言したとおりの働きぶりだった。

収穫はゴールだけではない。一昨年までの齋藤は小さな故障に苦しみ、試合を欠場することが少なくなった。そういった反省を踏まえ、開幕前から体作りに着手。フィジカルを維持しながら体重を落とし、体にかかる負荷を下げた。その結果、シーズンを通してほとんど故障なく戦い抜いた。脳震とうで欠場せざるをえなかった試合は例外としてカウントしていいだろう。

プレーに自信を持てたことはメンタルにも好影響を与えている。2014年のブラジルW杯以来遠ざかっていた日本代表への思いを堂々と口にするようになった。「ロシアW杯の試合に出場したい」。ブラジルの地には立ったが、試合出場の夢が叶わなかった。だから次の目標はもう決まっている。12月には国内組のみで行うミーティングに招集され、その思いをさらに強くしたようだ。

しかし、である。今オフ、齋藤はどのクラブのユニフォームを着てプレーするべきかをずっと考えていた。つまりロシアW杯とともに目標である海外移籍の可能性を模索していた。過去にはドイツのクラブと契約寸前まで話が進んだこともあるが、さまざまな事情で破談に。冬と夏の移籍ウインドーが開く度に去就が注目され、マリノスから移籍するのではないかという憶測が流れる。この冬も同じで、本人と仲介人は移籍の可能性を間違いなく探っていた。

そうしたなかでクラブから発表された契約更新リリースは何を意味するのか。チーム始動から数日が経った頃、齋藤を直撃した。

 

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