「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「自分がプライマリーの頃、マリノスはいつも優勝していた。そういう姿を今の育成組織の子どもたちに見せたい」(齋藤) [仙台戦前コメント]

 

【試合に向けて】
エリク モンバエルツ 監督

「開幕に向けていい準備ができた。選手たちは一生懸命トレーニングに取り組んでくれた。昨年の同じ時期とくらべて、フィジカル面はとても良い準備ができている。プレー面でも選手は持っているものを最大限出してくれている。就任2年目を迎えて、私も選手もお互いに理解が深まっている。少し問題があるとすれば、アデミウソンが抜けた穴をどうやって埋めるかということ。前線のスピード、パワー、得点力、そして才能を失った。チーム全体としては向上しているが、我々は昨年のトップスコアラーを失った。その穴を埋めるために新しい戦い方を模索している。そのためにゲーム形式の練習を多くやっている。ただ、社長が言ったように新しい選手が加入することを願っている。
(仙台について)昨年、対戦したときの印象があって、そこから大きく変わっていないのではないか。中盤に二人の選手を補強して、そのぶん戦力が上がっているが、基本的には変わらない。守備を組織的に行って、全体をコンパクトにして戦うチームだ。自分たちは早いボール回しができて、相手の裏への連動したプレーが強み。それは開幕戦の仙台戦に限らず、どの相手にも同じことがいえる。おそらく仙台は少し下がった位置に守備ブロックを作ってくるので遅攻がポイントになる。我々のチームには特別にズバ抜けた能力を持つ選手はいない。年間25点取るような選手はいない。だからコレクティブなプレーが必要で、それは強みでもある。
(中村不在について)去年も彼はけがをして、いない期間が長かった。そして彼抜きでもチームは戦っている。(中村)俊輔に限らず、誰かが抜けることは起こりうること。だからチームはグループで戦わなければいけない。11人だけで年間を戦うわけではない。去年、中澤と下平がフルタイム出場したが、それは特別な例。誰かが抜けたとしてもチームとして準備して戦う。ただ、セットプレーについては中村のクオリティを持った選手はいない。キッカーはいるが、まったく同じレベルではない」

MF 11 齋藤 学

「今シーズンは始動日が早かったこともあって、コンディションはしっかりできている。強度の高いトレーニングもできたし、いい状態で開幕を迎えられる。練習試合ではあまり点を取れなかったけど、攻撃の形はできている。縦への速さと相手の裏を狙う動きは少しずつ精度が高まっている。あとはそれを公式戦の舞台で発揮するだけ。仙台戦はシュンさん(中村)がいない状況で、新しく入る選手も含めてどうやってプラスαを出していくかが鍵になる。マリノスはシュンさんに頼ってサッカーをしているわけではない。そういう意味でも大事な開幕戦になる。前評判は低いけど、オレは絶対に大丈夫だと思っている。そしてマリノスでタイトルを獲りたい。自分がプライマリーだった頃、マリノスはいつも優勝していた。そういう姿をいまの育成組織の子どもたちに見せたい。週1回試合があるJリーグの日常が待ち遠しい」

MF 7 兵藤 慎剛

「右サイドのポジションは今年ほとんど練習していない。キャンプの広島戦で途中から少しプレーしたくらい。でも去年の途中までずっとやっていたポジションなのですぐに慣れると思うし、後ろにいるパンゾー(小林)ともずっと一緒にプレーしていた。お互いのことはわかっているので問題ない。シュンさん(中村)が試合に出られなくて、流れが悪くなったときにゲームを落ち着かせる役目もある。自分自身、去年はけがが多くて自分のプレーを出せなかった。今年はタフに戦うことが目標。そのうえでチームの勝利とタイトル獲得に貢献したい」

DF 13 小林 祐三

「ヒョウ(兵藤)はいきなり右MFに入ってもしっかりプレーできる選手。オレの好きな形も知っているし、お互いに引き立て合えたらいい。こちらサイドでうまくゲームを組み立てて、逆サイドの(齋藤)学を生かす形がベストだと思う。守備面では相手にしっかりプレッシャーをかけられる選手で、こちらの指示にしっかり反応できる。真面目にやるタイプの選手なので不安はない。去年は開幕2日前に自分の前のポジションの選手が入れ替わって、今年もどうなるかわからない(苦笑)。でも誰が入っても自分がうまく操作してあげたい。自分はあと33試合出場すればJ1通算300試合になるので、今年はそれを目指したい」

MF 29 天野 純

「去年までは試合に出ているだけで何もできないことが多かった。今年は試合に出て、そのうえで圧倒的な存在感を出すことが目標。簡単なのは結果を出すこと。自分にとってトップ下のポジションはシャドーストライカーのイメージだし、シュンさん(中村)とは違った面を見せたい。セットプレーのキッカーも重要な役割になる。今日蹴った雰囲気だと、フィーリングは悪くなかった。ファビオは無理が利くので多少アバウトなボールでも決めてくれるし、(中澤)佑二さんもいる。何もできなければ次の試合はシュンさんが帰ってくる。緊張すると思うけど、自分にとっては正念場のゲーム」

DF 5 ファビオ

「昨年までの自分は、開幕から試合に出られる立場ではなかった。でも今年は自分が試合に出るというつもりで準備しているし、出るからには結果を残さなければいけないという責任を感じている。周囲からのプレッシャーというよりも、自分自身に厳しくするという意味でプレッシャーがある。シーズンが変われば選手が入れ替わるのは当然のこと。いまいるメンバーで何ができるかが大事。自分としてはマリノスでタイトルを獲りたい。仙台はフィジカル的に優れていて、いつも難しい試合になる。接戦になると思うが、いい形で1年間のスタートを切りたい」

MF 6 三門 雄大

「開幕一週間前に体調を崩したけど、もう大丈夫。開幕戦のピッチに立つのは特別だし、ワクワクする。シュンさん(中村)がいないのでどうやってゲームを落ち着かせるか。バタバタするシーンが多くなるかもしれない。でも若い選手が多くて、フレッシュでエネルギッシュなサッカーをすることは約束する。そのうえでプロとして結果を出さなければいけない。仙台とはいつも激しい戦いになるけど、戦力的には差がない。去年のアウェイゲームでは自分が決めた良い記憶もあるので、今回もそうなったらいい」

DF 22 中澤 佑二

「守備は去年からの継続なのでベースはある。ディフェンスラインの顔ぶれは変わっていないし、それぞれの役割もわかっている。マリノスは失点ゼロが当たり前のチーム。去年までもそうだったけど、それは今年も同じこと。オフェンスはアデ(アデミウソン)と藤本(淳吾)が抜けた分をどうやって補うか。開幕戦に関してはシュン(中村)も出られるかわからない。だから新しく先発として入る選手はプライドを持って戦わなければいけない。マリノスは攻撃力がないと言われていることに、素直に頷いてはいけない。それに対して反骨心を持ってプレーできるかどうか。個人的にもチームの前評判の低さを開幕戦以降の結果で見返したい。
(38歳の誕生日について)去年まで開幕が3月だったので、誕生日の週に試合はなかった。とにかく40歳という目標を立てている。いまはそれをモチベーションにして頑張っている自分がいる。その先は分からない。心と体と相談して決める。でもカズさん(三浦知良)の年齢まではやらないと思う(苦笑)。僕は目標を決めて、そこから逆算していくタイプ。日本代表としてW杯に出場していたときも4年区切りだった。40歳という目標があるから、若い選手と同じトレーニングをやって、そこで負けたくないという気持ちになる。でも残りのサッカー人生は短いので、記録よりも記録に残るメモリアルゴールやバースデーゴールを決めたい」

DF 23 下平 匠

「今シーズンの目標はけがをしないこと。去年は自身初めてのフルタイム出場を達成できた。けがなく、警告少なく戦えたからこその成果だし、ポジションを守れたのはよかったと思う。でも上には上がいる。(中澤)佑二さんは2年連続でフルタイム出場している。自分よりも10歳くらい上の年齢で達成しているのだから、すごい。近くでプレーしていて見習うべき部分は本当に多い。だからこそ一緒にプレーしてタイトルを獲りたい。移籍加入してからの2年間はタイトル争いに絡めなかった。3年目の今年はタイトルがほしい」

MF 8 中町 公祐

「マリノスの選手は名門クラブとしての誇りを持たないといけない。今年は若い選手が多く加入したけど、彼らもトリコロールのエンブレムをつけてプレーする意味を理解しなければいけない。シュンさん(中村)がインフルエンザになってしまって開幕戦に出られないかもしれない。自分も先発かどうかわからないけど、自分が出るとすれば中盤から前は自分よりも若い選手ばかりの構成になりそう。若い選手はフレッシュなプレーができる反面、状況判断ができない場面もあると思う。そこはできるだけ自分がコントロールしたいし、手綱を握っているのは自分だと思っている。去年から2ステージ制になって、当たり前だけど開幕ダッシュは大事。最初の試合で躓くわけにはいかない」

MF 25 前田 直輝

「自分は肩に力が入り過ぎるとダメなタイプ。でも移籍加入した立場だし、少なからず周囲からの期待もあるはず。そのあたりはうまくバランスを取りながらピッチ内で表現したい。期待されるのはうれしいこと。それを歓声に変えるかブーイングにするかは自分のプレー次第。開幕だけにこだわるわけではないとはいえ、最初のインパクトは大事になる。そういう意味で自分にとって開幕戦は大切な場。先発からプレーしようが、ハーフタイムからの45分だろうが、あるいはラスト5分だとしても、自分の仕事は大きく変わらないと思っている。与えられた時間の中で結果を残して、チームの勝利に貢献したい」

 

 

 

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