「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

5つの誤算-2012年の得点力を振り返る [蒼井真理の独自視点]

 


今季開幕前、樋口監督は「昨季のリーグ46得点から、プラス20得点」を目標に掲げたが、結果は44得点。リーグ平均の47.5得点にも届かず、18クラブ中13位の数字であった(シュート決定率0.116も13位)。「得点力」の欠如が最多14の引き分けと、優勝争いに絡めなかった大きな原因であることは疑いない。

今季の得点者、得点パターンを振り返りながら、開幕前の目論見と異なったポイントと来季への課題を検証したい。

 

誤算1.マルキーニョスの稼働率

リーグ22試合で10得点を決めたマルキーニョスは、やはり別格の存在であった。90分平均得点0.55は10得点以上の選手ではレアンドロ、佐藤寿人、豊田陽平に次ぐ4位の数字。シュート決定率0.208も、赤嶺真吾やウイルソンを上回る。前線のターゲットとして得点以外の貢献度も極めて高く、今季始動から「マルキーニョスありき」のチーム作りを進めてきた樋口監督にとって、序盤の長期離脱と後半の2試合出場停止は痛恨だった。

来季はコンディションを高い状態で維持するため、起用法も細心の注意を払わなければならない。不在・不調時にどうするか、補強も含めた対策も必要だ。単純計算では34試合フル出場していれば18~19得点したことになるが、来季37歳になるマルキーニョスにそれを期待するのは無理がある。

誤算2.ゴールに見放された大黒将志

大黒は昨季チーム最多の10得点で、シュート決定率0.175、90分平均得点0.46というストライカーに相応しい数字を残した。しかし今季は2得点、シュート決定率0.048、90分平均得点0.12と無惨な数字に終わった。シーズンを通しコンディションは高い状態をキープし、守備やポストプレーでの貢献度は上がったが、肝心のゴールが生まれなかった。

相手GKの好守や誤審など不運もあったが、今季のコンセプトにフィットしきれなかったことが最大の原因だろう。来季復調を望むなら「大黒に点を取らせる」ための逆算、得点パターンの構築が必要だ。

誤算3.小野裕二の得点数

小野裕二も昨季に比べ出場時間は増えたが、得点数は4→2、シュート決定率0.083→0.042、90分平均得点0.20→0.07と半減。樋口監督は大黒と小野にそれぞれ10得点を期待しており、

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