「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

ストライカーたちの仕事量が今年初めての日産スタジアムでの勝ち点3に直結する [1st11節甲府戦プレビュー]

 

3連敗を喫したが、エリク・モンバエルツ監督はメンバー変更なしで明日のゲームに臨む考えのようだ。試合前日の練習では主力組と見られるチームに、前節と同じ11人の顔ぶれが並んだ。その試合でパフォーマンスが良かったとはいえない選手もいるが、彼らへの信頼と期待が高いことを感じさせた。

 メンバー変更すれば試合に勝つ確率が高まるとは限らない。敗れた試合を分析し、修正と改善、そして向上させるそのための一つの方法がスタメン変更である。監督ができる仕事は意外と少なく、先発11人を選ぶ作業は最も大きな仕事といえる。チームが高いパフォーマンスを発揮できる組み合わせを選び、その選手たちの責任を与えるのだ。

それにしても結果が出ていない状況で、スタメンが一人も変わらないのは驚きだった。分かりやすいところでいえば、途中出場でゴールを決めた伊藤翔は1トップで先発する可能性が高いと想定していた。ストライカーにとってゴール以上の結果はない。こぼれ球を押し込むゴールとはいえ、流れの中で伊藤が勝ち取ったゴールだ。『そこにいた』ことを評価しなければいけない。

対して、カイケのパフォーマンスは決して高くない。指揮官はカイケがさまざまな意味でフィットするまで我慢するつもりかもしれないが、いまのところ向上の兆しはほとんど見られない。助っ人特有の“武器”を見つけにくく、それが相手DFをラクにしてしまっている。味方からの信頼も満足に得られておらず、チームとして良い方向に進んでいるかは怪しい。

 

下バナー

 

 ヴァンフォーレ甲府の粘り強い守備を、カイケが快活なパフォーマンスで打ち破ってくれることを期待したい。ただ、前記したように武器の見えにくい選手である。言葉で表現しても分かりやすい身体能力やスピード、あるいは高さといった部分に特長はない。おそらくタイプの異なる周囲が協力してお膳立てして、初めてゴールゲッターとしての才を発揮できる。独力でのゴールを期待するのは無理難題である。

試合前日のメンバーがそのまま先発だとすれば、再びカイケが1トップに入る。ゴールを決めたことでテンションとモチベーションを上げている伊藤や、U-23日本代表に選出されて価値を高めている富樫敬真はベンチで何を思うのか。そして、出番がやってきたときに奮起できるか。

ストライカーたちの仕事量が、甲府戦の結果を大きく変えるだろう。彼らの活躍は久しぶりの、そして日産スタジアムで今年初めて掴み取る勝ち点3に直結するはずだ。

 

 

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ