「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

マルティノスがトップ下か。榎本は「このチームで勝ちたい」と語気を強める [ナビスコ6節新潟戦プレビュー]

 

これで5回目となるが、当然のように直近のリーグ戦から大幅にメンバーを入れ替える。先週のアビスパ福岡戦同様に先発総入れ替えにはならない模様だが、それは単純にけが人と代表で選手の頭数が足りないことが理由である。

 前回は栗原勇蔵と小林祐三が先発し後半の早い時間帯に交代した。明日のアルビレックス新潟戦では中澤佑二と下平匠が先発出場する見込みだが、両選手ともプレータイムを制限するのは目に見えている。早ければハーフタイムに、遅くとも後半の10~15分あたりでベンチに下がるのではないか。中澤のポジションには栗原が控え、下平のポジションにはU-19日本代表の韓国遠征から帰ってきた遠藤渓太をコンバートする可能性が高い。GKにはヴィッセル神戸戦に引き続き榎本哲也が入る。

そのほかの最終ラインは新井一耀がセンターを務め、右SBには三門雄大を起用する見通しだ。本職のポジションはボランチだが、さまざまなポジションを務められるだけにこういった場面で苦しい立ち回りを強いられている感は否めない。福岡戦では途中から右SBにスライドして悔しさを隠し切れず、神戸戦ではゲーム終盤にトップ下に入った。本人は「練習試合がない中で、ナビスコカップでも自分のポジションでプレーできないのは正直悔しい。いろいろなポジションをできるのはいいことだけど器用貧乏にはなりたくない」と吐露。古巣との再会はボランチで果たしたかっただろうが、明日はタッチライン際で汗をかくことになりそうだ。

三門がスライドしたボランチには中島賢星が兵藤慎剛とともにコンビを組む。福岡戦ではスクランブル状態の終盤にボランチ起用されたが、彼の課題は運動量とボール関与の回数にある。積極的にボールに関わることでチームにリズムをもたらしてほしい。コンディションは福岡戦のフル出場を経て上がっているはず。隣にいる兵藤に遠慮することなく、どんどんボールを要求して自分の特徴を出せるか。

 

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 2列目に目を移すと、なんとマルティノスがトップ下に入ることになりそうだ。右MFには天野純がいるため、両者のポジションを入れ替えるのは簡単なこと。それでもマルティノスのスタートポジションをあえて中央にするのは、今後に向けて施策と考えていいだろう。エリク・モンバエルツ監督は「マルティノスはスピードを生かして前で数的優位を作ることができる。それに運動量もある。このポジションで彼がどんなプレーをするか楽しみにしている」と期待を込めた。中村俊輔とは異なる色にチームを染め、カイケとともに攻撃をリードしてもらいたい。

勝利すると予選リーグ突破に大きく前進できる一戦だ。カップ戦メンバーという位置付けの選手が先発の大半を占めることになるが、ここまで戦ってきた可能性をおおいに残してきたのも事実。榎本は「このチームで勝ちたい」と語気を強めた。プレーの内容を求めつつ、まずは気概に溢れたパフォーマンスを見たい。

 

 

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