「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

得点力不足という表面的な問題よりも、実際の病巣は根深いかもしれない [1st17節東京戦レビュー]

 

 フィニッシュにおける課題は一朝一夕では解決しない。毎日シュート練習を行って精度が上がるなら、世界中の監督がシュート練習を実施するだろう。もちろんシュートに対する訓練や意識付けが足りていない現状は問題だが、最後は選手個体のクオリティである。端的に言えば、いまのマリノスには本当の意味でゴールを量産できる選手がいない。

カイケと齋藤学、あるいは富樫敬真はこの試合で決定機を決められなかった。そのうちの一つでもゴールネットを揺らしていれば、マリノスは高い確率で勝ち点3を得ていたはず。ただ、この試合では決められなかった。そして試合終盤のセットプレーから失点を喫して勝ち点3を献上。残念な結果に終わった。

ある日突然ストライカーがやってくるわけではない。ただでさえ外国籍選手枠を使い切っている状況なのだから、よりアクションを起こさなければいけない。果たしてフロントにそれをする気概はあるのだろうか。

 

下バナー

 

 この試合をもって1stステージの全日程が終了。来週からは速くも2ndステージが開幕するが、このまったく切れ目のないカレンダーでは、チームをリセットすることなど不可能だ。新たに選手登録が可能となるわけだが、現時点でマリノスは三門雄大を放出したものの、選手を獲得していない。水面下で動きがあったとしても、湘南ベルマーレ戦にはいまのメンバーで臨むことが濃厚である。

気になるのは選手たちのモチベーションが低下傾向にあること。プロである以上、どんな状況でも100%で戦わなければいけないとはいえ、彼らも人間である。フィジカルやタクティクスを生かすためのメンタルが整っていない印象がある。これに関しては主観の部分も大きいが、試合だけでなく練習から空気が重い。

得点力不足という表面的な問題よりも、実際の病巣は根深いかもしれない。

 

 

 

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ