「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「広島戦次第」(中町) ・・・ゲームプランが重要になる一戦 [2nd4節広島戦プレビュー]

 

後半戦スタートから3連勝を飾り、すべてのゲームで3得点している。数字が物語るとおり、攻撃陣は概ね好調と言えるだろう。得点者が散らばり、どの選手もゴールへの意欲を高めている。2トップへの変更によって相手ゴール前で圧力をかけることができている。

 ただし攻撃に関しては水物であることを、あえて強調しておきたい。これからもコンスタントに3得点以上するなど不可能に近い。繰り返しになるが、相手との力関係も加味しなければいけない。湘南ベルマーレ、アビスパ福岡、そしてヴィッセル神戸の3チームは、残念ながらタイトル争いに絡むチームではない。

それとサンフレッチェ広島は違う。1stステージ序盤こそ波に乗り切れなかったが、その後は地力を発揮してきた。ピーター・ウタカは得点ランクトップを走るゴールゲッターで、この試合がJリーグ最後のゲームとなる浅野拓磨にも注意が必要だ。

中町公祐は真剣な表情で言う。

「次の広島戦次第」

 そう、これからのマリノスは明日の広島戦次第。もっと言えば、目の前の試合次第だ。神戸戦前にも述べたように、おそらく勝ち続けなければ緊張感は保てない。自ら悪い流れを作って瓦解するのは簡単だ。

ポイントは2トップを継続するか否か。3連勝して計9得点しているが、神戸戦の後半に関しては従来の[4-2-3-1]に戻していた。中村俊輔をトップ下に置く布陣に戻してからの鮮やかな逆転勝利である。この事実をいかに捉えるか。

勝っているチームは動かさないのが鉄則とはいえ、どのチームが勝っているチームなのか判断か難しい。神戸戦での逆転は、相手との力関係や展開による部分も大きい。少なくとも前半の2トップや齋藤学、あるいはマルティノスが裏を狙うことで相手DFは消耗していた。その後に決定的な仕事をしたのが後半のメンバーとシステムだった。

 

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 これらを踏まえて、エリク・モンバエルツ監督がどのメンバーとシステムで臨むか。15日の練習では神戸戦までと同じ11人が[4-4-2]の布陣に並んでいた。その後、中村を入れた[4-2-3-1]、つまり神戸戦後半の布陣となった。「いまはまだ考えているところ」。モンバエルツ監督は頭を悩ませているようだ。

広島という特殊かつ、築き上げられているスタイルのチームが相手だ。「しっかりとした守備でボールを奪うことが大事になる。それがシステムやメンバーを決めるポイントになる」(モンバエルツ監督)。樋口靖洋監督時代から[4-2-3-1]で戦い、ボールの出どころをケアしてきた。守備能力が高いとはいえないカイケと富樫敬真の2トップが守備のタスクをどれだけこなせるか。それは未知数である。

確実に言えるのは、前3試合よりもボールを持たれる、つまり守備をする時間が長くなるということ。いかにして相手のビルドアップを制限するかが第一歩で、次に縦の速さを出したい。ゲームプランが重要になる一戦だ。

 

 

 

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