「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

中村俊輔の復帰まで天野は結果を出し続けなければならない [2nd8節大宮戦プレビュー]

3連勝のあとの3連続引き分けと苦戦していたが、前節の柏レイソル戦で4試合ぶりの勝ち点3を手にした。試合後、エリク・モンバエルツ監督はベンチ前で喜びを爆発させ、「引き分けという結果が続いてフラストレーションが溜まっていた。勝利という結果は特別なエモーションだ」と満面の笑みを浮かべた。ジュビロ磐田戦と名古屋グランパス戦は順位が下の相手に押し込みながらも勝ち切れなかった。だからこそ喜びもひとしおだろう。

 それは戦っている選手も同じだったはず。プレーと発言の両方で自覚が芽生え始めている喜田拓也は「ずっと負けていなかったけど、最近は引き分けが多かったので見ている人にとってはフラストレーションが溜まる展開だったと思う。その意味で、柏戦で勝ち点3という結果を出せたことは本当に大きかった。周りを巻き込むという意味でも勝たないといけなかった」と価値を語った。勝てばサポーターも含めて全員が喜び、自然に笑うのだ。

その勝利を、1stステージ開幕戦以来の先発となった天野純が手繰り寄せたことにも大きな価値があった。結果として2ゴールともアシストにはならなかったが、彼が2ゴールに絡んだのは紛れもない事実。分かりやすく結果に絡んだことでトップ下として今節も先発できる。左足甲を痛めて別メニュー調整が続いている中村俊輔の復帰はもう少し先だが、それまで天野は結果を出し続けなければならない。

 

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 不安材料があるとすれば、ここへきて少しけが人が増えていること。火曜日の練習でファビオが右ひざに痛みを訴えて練習を切り上げ、木曜日には齋藤学が左足甲を負傷した。ファビオに関しては木曜日から合流しており、試合出場に支障はなさそうだ。齋藤は患部の痛みとの戦いで、試合までにどれだけ回復するか。無事に先発に名を連ねることを願いたい。

2ndステージに入ってからは、順位が下の相手とばかり戦っている。今節の大宮アルディージャも例外ではなく、ならば勝ち点3が欠かせない。川崎フロンターレや浦和レッズとの直接対決までは負けられない。勝ち点差『4』のまま食いついていけるか。フロンターレと浦和の安定感を加味したとき、この差が『7』に開いた瞬間、タイトル獲得は絶望的となる。

そして、マリノスは結果を出し続けることでチームとしての均衡を保ちたい。目の前の試合での勝利を、次への活力にしたい。

 

 

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