「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

若手にとっては、目の前の試合で全力を尽くすことが重要 [2nd15節ガンバ戦プレビュー]

 

10月下旬に差し掛かり、この時点でタイトルレースから脱落しているのは仕方ないことだろう。年間順位に限った話ではなく、2ステージ制になった2ndステージの優勝争いでもタイトル獲得の可能性は風前の灯火である。残り3試合で首位・浦和との勝ち点差は『8』。浦和は今週末にも2ndステージ優勝を決める可能性があり、対してマリノスは可能性が完全に消えるかもしれない。そんな週末だ。

 タイトルレースとは反対に、この時期は残留争いも佳境を迎えている。しかしマリノスはそれとも無関係の立場だ。今シーズンも悪いなりに勝ち点を積み上げ、上位進出ならずとも下位には一度も沈まなかった。良くも悪くも近年とほぼ同じ歩みで、夜になると少し肌寒い季節を迎えている。選手たちが地力の高さを示している一方で、今シーズンも中位から脱出することはできなかった。

迎えるガンバ大阪戦で、プレーヤーに高いモチベーションを求めるのは酷かもしれない。エリク・モンバエルツ監督は「プロとして試合がある限り、すべての試合を勝ちに行くということ。そして少しでも上の順位になることが大事だ」と普段と変わらぬ姿勢を貫く。だが言葉にする以上に、高い意識を保つのはとても難しい。すでに視線を来季に向けている選手がいても、なんら不思議ではない。

ホーム最終戦に至るまでに、各報道機関で移籍の噂が取り沙汰されている。マリノス関連の話題もちらほら聞こえてくる。ここまでの全体的な傾向を述べるならば、各クラブとも今年のオフは昨年までと比べたときの動きが格段に早い。優勝争いや昇格、降格といった不確定事項はあるものの、多くのクラブが来季に向けて動き出し、すでに確定している情報も多数あるようだ。マリノスも例に漏れていない。

 

 

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 それにしても嫌な季節だ。誰もが自身の処遇を気にし始める時期である。特にマリノスにはベテランと呼ばれる30歳以上の選手が多く在籍し、彼らは身の振り方を考えなければならないタイミングを迎えている。今季在籍している選手全員が来季もマリノスでプレーすることなど、現実的にありえないのだから。

一方で、今季加入した若手にとっては、目の前の試合で全力を尽くすことが重要になる。明日の試合で先発が予想される富樫敬真やパク・ジョンスは、自身の価値を高めるためにプレーに注力する必要がある。モチベーションの有無は選手個々で違うだろうが、ピッチに立つ以上は全力でプレーする責任が生じる。

カレンダーと組み合わせの都合で、明日のゲームがホーム最終戦となる。試合後には長谷川社長の挨拶などのセレモニーも行われるはずだ。いよいよピッチ外が騒がしくなる時期がやってきた。

 

 

 

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