体制がアイザック・ドルに変わった直後、突如として暗雲が立ち込めた。告げられたのは『戦力外通告』だった [榎本哲也の浦和レッズ完全移籍について]
本日1月7日、横浜F・マリノスはGK榎本哲也(33)がJ1・浦和レッズに完全移籍することを発表した。榎本はマリノスのプライマリー出身選手でジュニアユース、ユースと順調に階段を上がり、2002年に栗原勇蔵とともにトップチーム昇格。プロ2年目の2003年にチームの両ステージ完全制覇に貢献し、2014年には34試合フルタイム出場を記録するなど、在籍15年でJ1通算238試合に出場した。
「マリノスで引退したい」
節目の30歳を過ぎてからのここ数年、シーズンの終わりが近づくたび、そんなふうに遠くを見つめていた。しかし、その夢は叶わなかった。
形式上は自ら選んだ移籍の道である。今季いっぱいで複数年契約満了となる榎本に対して、マリノスは契約延長のオファーを打診した。それと同時に年間勝ち点1位の浦和も獲得に乗り出していた。悩み抜いた末、人生で初めてマリノス以外のユニフォームに袖を通す覚悟を決めた。
では榎本はマリノスを見捨てたのか。否、そうではない。そもそもマリノスは本当に榎本を必要としていたのだろうか。
話はシーズン序盤に遡る。今季開幕からゴールマウスを守ったのは後輩の飯倉大樹だった。昨季終盤の流れを踏襲すれば、ある意味で自然な流れと言える。榎本自身もその状況を受け入れ、日々のトレーニングに取り組んでいた。
4月、クラブはフロントを入れ替える決断を下す。下條佳明氏が退任し、新たにルーマニア人のアイザック・ドルがスポーティングダイレクターに就任。突如として暗雲が立ち込め、事態は暗転していく。
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