「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「実はサッカー小僧なんです(笑)」 【天野純選手インタビュー第3回】

【天野純選手インタビュー第3回】

実施日:12月14日
インタビュアー・写真:藤井 雅彦
協力:横浜F・マリノス広報室

 

 

プロ3年目の今年、開幕戦のピッチに初めて先発の一員として立った。ポジションは念願のトップ下だった。しかし自身の脳裏には、ほろ苦い記憶として刻まれるゲームに。

それ以降、出番はなかなかやってこない。練習だけの日々に、腐りそうになる瞬間もあった。夏には海の外に飛び出そうかとも考えた。

だが、巡ってきたチャンスをようやくモノにする。試合に出続けることで「殻を破った」。さらにリーグ戦終了後の天皇杯4回戦で、見事な直接FKを叩き込んだ。

天野純、25歳。F・マリノスのど真ん中を目指す挑戦が、ようやく始まった。

 


前回からつづく

 

――2016年はトップ下とボランチが主戦場だった。ポジションへのこだわりはある?

「選手の組み合わせにもよります。でも、こだわりはあまりないです。一番長くやっていたポジションはトップ下だけど、ボランチでもいい。サイドではなく中央がいいです。今のやり方はサイドの選手にスピードが求められるので難しい部分がある。ボランチなら前を向いてボールを持てる場面が多いし、例えば相方が守備的なキー坊(喜田拓也)なら組み合わせも悪くない」

 

――シーズン終盤はボランチでプレーする機会も多かった。

「ボランチとして試合に出ることで、守備の意識が高まってきたという自覚はあります。モンバエルツ監督は守備できない選手を試合に使わない。自分が攻撃も守備もできるボランチになれば、攻撃的な選手たちと共存できると思います。攻撃面では、最後尾のGKからボールをしっかりつないで、ビルドアップしていく。高い位置からプレッシャーをかけてくるチームに対して、ボランチのところで相手を一枚はがせれば優位に立てる。そこは自分がボランチをやる上での特徴になると思います。練習では難しい状況でもあえて前にボールを運んでいます。逃げていたら成長につながらない」

 

――リーグ戦のヴァンフォーレ甲府戦や天皇杯の東京ヴェルディ戦ではボランチとして出場し、攻撃の起点になっていた。

「あの感覚です。あれを相手のレベルが上がってもできれば楽しい。自分のところでゲームを作って、そこからスピードあるアタッカー陣を生かしたい。あとは最終節のレッズ戦のように相手が強くなった時にどうやって自分たちがゲームをコントロールするかが課題です」

 

――参考にしているボランチはいる?

「僕は自分が置かれている状況やタイミングに合わせて、いろいろな選手の映像を見ます。ボランチをやっている時は主にイニエスタ選手のプレー映像を見ています。サイドの時はプレースタイルがまったく違うけどネイマール選手。トップ下だったらシュンさん(中村俊輔)や中村憲剛選手(川崎フロンターレ)のプレーも参考にします」

 

 

――サッカーの映像をよく見るタイプ?

「遠征の時はずっとYoutubeで見ています。練習が終わって家に帰ってからも、ずっとサッカーを見ています」

 

――チームにはあまりいないタイプに思う。

「いないかもしれません。チームメートに直近のバルセロナの試合の話をしても、ほとんどの選手は分からない。でも自分はしっかり話せます(笑)。サッカーの動画に飽きたら海外ドラマを見て、それに飽きたらサッカーに戻る。それと寝る前はサッカーです。1日の最後は毎日サッカーで終わる」

 

――とても良いセリフだね。

 

 

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