「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「宮崎ではヒョウくんと同じ部屋だった。やさしくて、懐に入りやすくて、後輩に壁を作らない人。試合になったら全力でぶつかり合いたい」(天野) [札幌戦前コメント]

 

【試合に向けて】

エリク モンバエルツ 監督

「(浦和戦について)ボール保持率で劣るのはある程度予想していた展開。前半は良い守備から連動性ある攻撃というゲームプラン通りの展開だった。後半はリードした展開で守りに入る姿勢が出てしまった。それでも逆転を許してからは再び前でボールを奪うという姿勢に変化した。最後の10分はお互いにチャンスがあった中で、我々のほうが少しだけフレッシュで、ゴール前での冷静さがあった。シーズンが勝利で始まるのは誰にとっても良いこと。相手が力のある浦和だったということも重要だ。でも、それは終わったことなので、次が大事になる。

 自分たちのプレースタイルは、ポゼッションしてゲームをコントロールすること。だが、まずは勝つことを優先して、試合の流れや相手のやり方に適応しなければならない。これから、いくつかの試合では浦和戦のような展開になるだろう。ポゼッションしてゲームをコントロールしたいが、力のある相手との試合では守備でゲームをコントロールし、奪ってからスピードある攻撃を仕掛けていく。この二つのやり方を使っていくことが大事になる。(開幕戦ゴールのダビド・バブンスキーについて)浦和戦は試合全体のポゼッション率で上回られたので、あのようなボールタッチ回数になるのはノーマルなこと。それでも彼がボールを持ったときは良い判断をしていた。そして守備でもしっかり走っていたと思う。ゲームによってボールタッチ回数は変わってくるが、大事なのはボールを持った場面で効果的なプレーをすること。彼に限らずトップ下でプレーする選手は、ラストパスの精度やフィニッシュが必要になってくる。

(札幌戦について)また違う展開のゲームとして準備しなければいけない。浦和戦では攻撃のときにスペースがあった。今後はスペースがない状況をこじ開けていく必要がある。いい攻撃をするためには中央とサイドを幅広く使わなければいけない。あとは(天野)純やバブンスキーはミドルシュートの力を持っているので、それも武器になるだろう。ウーゴ・ヴィエイラはもう少し長い時間プレーさせることも考えているが、まずは浦和戦のような使い方でやっていくことを考えている。

(監督は札幌と初対戦になるが)まだ開幕して1試合しか終わっていないが、仙台とのゲームを映像で確認した。その試合では守備を低い位置でオーガナイズして、ボールを奪わってからは素早く攻撃するチームに見えた。札幌は彼らの戦い方で我々を苦しめるだろう。我々も浦和戦とは違う適応能力を見せて攻撃したい。浦和と札幌は同じ3バックだが、プレーのやり方はまったく違う。浦和のほうがより前からプレッシャーをかけてくる。スピードの使い方というよりも、ドリブルやダイアゴナルの動き、それとオーバーラップが重要になってくる」

 

MF 10 齋藤 学

「去年の浦和戦は2引き分けだったけど相手に圧倒されて、力の差を見せつけられた。それが今年は結果だけでなく、内容的にもマリノスがしっかり戦えることを見せることができたと思う。その上で勝てたことが大きい。個人的にもいろいろ背負った中での開幕戦だったので、素直にうれしかった。内容は完璧ではないので、反省するところと修正するところを見極めて次に進みたい。この1勝で油断や慢心や勘違いしてはいけない。若いチームだからそれが心配だけど、いまのところそんな雰囲気はない。続けていくことが大事。

 札幌戦ではボールを持つ時間が長くなると思う。レッズ戦では自分やマルティノスがカウンターでチャンスを作れていた。今度はポゼッションした中でどれくらいできるかを試すいい機会になる。オープンな展開にするには僕らが1点、2点と取って相手を前に出させなければいけない。相手はJ2から昇格してきたチームだけど、過去にはレイソルやガンバのようにいきなり優勝した例もある。油断してはいけないし、簡単なゲームにはならない。ピッチとスタンドが近い三ツ沢でのゲームになるのでサポーターと一体感を出して戦いたい」

 

 

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FW 17 富樫 敬真

「開幕戦で勝ててうれしかったけど、FWとしてはそれ以上に悔しい。でも、それが次の試合に向けたエネルギーになる。浦和戦は自分に流れが来なかった。次はドバッと来る。ゴールシーンは自分がニアサイドに入ることで潰れ役になれたと思う。あの場面はパスの出し手の判断なので仕方ない。プレシーズンはコンスタントに点を取れたけど、Jリーグ本番はそんなに甘くない。自分を見つけ直すきっかけになったし、気持ちを落としている暇はない」

 

GK 21 飯倉 大樹

「浦和戦では相手も味方もいろいろ接触して打撲してしまった(苦笑)。でも次の試合に支障が出るほどではない。自分のプレーが“当たっていた”という表現は好きじゃない。かといって自分が止めてやったと目立ちたいわけではない。あくまでトレーニングの成果をピッチ上で出せたというだけ。若返ったチームとして最初のゲームに勝てたことは大きい。でも浦和戦だけで終わっては意味がない。札幌戦が大事になるし、その次の鹿島戦も大事。34試合すべてが大事なゲームなので、一つひとつ大切に戦っていく」

 

MF 5 喜田 拓也

「札幌は自陣でブロックを敷いてくるかもしれない。そのときに慌てて突っ込んでいかないことも大事になる。中を締められて横にスライドされたら、そう簡単には崩せない。でも、どこかに穴はできてくるので、その瞬間をしっかり狙っていく。無理をしてでも縦に入れていかなければいけない状況もあるだろうし、そこは自分と(天野)純くんで判断してやっていきたい。レッズ戦では自分と純くんが消されていた。相手にボールを持たれている時間が長かったというのもあるけど、攻撃にも関わっていきたい」

 

MF 14 天野 純

「(兵藤との対戦について)ヒョウくんは守備を絶対にサボらない選手。球際が強いし、プレー全般の基礎がしっかりしている。紅白戦で対戦しているときも嫌な選手だった。ついこの前までチームメートだったので、対戦相手になるのは不思議な感じがする。でもピッチに立ったらマリノスが勝つために全力を注ぐ。去年の12月の宮崎キャンプではヒョウくんと同じ部屋だった。先輩だけど、やさしくて、懐に入りやすくて、後輩に対して壁を作らない人。試合になったらお互い全力でぶつかり合いたい」

 

MF 33 ダビド バブンスキー

「浦和戦は本当に素晴らしい日になった。良い状態で開幕戦を迎えられて、そこでゴールも決められて、パーフェクトな1日だった。自分にとってとても印象的な日になった。でも次の日からは札幌戦に向けて頭を切り替えた。自分たちがやろうとしているのはボールポゼッションして相手を崩していくサッカー。その面においてもっと向上できると思う。ゴールを決めることでチームを助けられたけど、自分のポジションはアシストも要求される。そのバランスを取りながらプレーしたい。ただ、優先順位はチームを助けて勝利に貢献することだ」

 

MF 25 前田 直輝

「プレシーズンの段階で結果を出せたことが開幕戦での出場と結果につながった。今年はチャンスの場面で力が入り過ぎず、良い状態でシュートを打てている。それが結果につながっている。一昨年と昨年は惜しい選手で終わっていたけど、今年は違うところを見せたい。でも次の札幌戦に途中出場して結果を出せなければ、その次の鹿島戦はベンチ外になってしまうかもしれない。それくらいウチは選手層が厚いので、危機感を持っている。自分はすぐに満足してしまう性格なので、常にプレッシャーがあるのは良いこと。それに打ち克って結果を出したい」

 

DF 15 新井 一耀

「今年に入ってから左SBはやっていない。もし出場するなら、まずは守備のところで1対1に負けないことやクロスを上げさせないことを意識して、対峙する相手に負けないことを心がけたい。攻撃面でも慌てずボールをつないで、平常心でプレーすることが大事。あまり左SBということを考え過ぎずにプレーしたい。去年の最初よりも成長している自信がるし、少しずつ余裕も生まれてきた。1年ずつしっかり成長したいし、自分の力が通用するところを見せたい。出られる試合、状況、ポジションで結果を出していきたい」

 

 

 

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