「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

バブンスキー、デゲネク、遠藤渓太が代表から帰国。コンディションを考慮しながら今季初めてのシステム変更も [5節 C大阪戦プレビュー]

 

 

前節のアルビレックス新潟戦から代表ウィークを挟み、2週間が経過。年度が変わる明日4月1日は第5節・セレッソ大阪戦となる。

準備期間は普段より長かったようで、実質的には通常よりも少なかった。というのも、選手の出入りが非常に激しい期間だった。ダビド・バブンスキー、ミロシュ・デゲネク、そして遠藤渓太が代表招集のため日本を離れた。3人が帰国したのは今週水曜日で、木曜日はリカバリーメニューのみ。セレッソ戦に向けた全体練習に参加したのは金曜日だけで、コンディションが万全ではないのは言わずもがなである。

代表招集と時を同じくして、負傷による出入りも多かった。リーグ戦が行われなかった先週は栗原勇蔵、天野純、マルティノスが少しの痛みを訴え、清水エスパルスとの練習試合を回避。ただし、いずれも今週に入ってトレーニングを消化しており、大きな問題はなさそうだ。反対に新潟戦を欠場した喜田は今週に入ってからの合流で、まだ日が浅い。

その背番号5の起用法が大きな焦点である。喜田の状態についてエリク・モンバエルツ監督は「考えるポイント。まだ全体練習に合流してからの数が少ない。100%の状態かといえば、そうではない。でも試合ができないほど低いわけではない」と慎重に話した。万全ならば文句なしのレギュラーだが、100%の状態とはいえない。筋肉系の故障は再発のリスクもあり、総合的にどうジャッジするか。

 

 

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喜田を先発起用した場合、今季初めてシステム変更が考えられる。今週の火曜日から木曜日までの3日間は、アンカーを置いた[4-3-3]を採用。インサイドハーフに中町公祐と天野純を置いた逆三角形が中盤にあった。齋藤学を中心とするサイドアタックはすでに武器として確立されている。最近は遅攻場面での中央突破を課題として掲げていた。その課題を解消する方法の一つがシステム変更である。

しかしながら、試合前最後の練習となる金曜日は従来の[4-2-3-1]に戻っていた。万全ではない喜田が外れ、中町と天野がダブルボランチを形成。右サイドにマルティノスが入り、前田直輝がトップ下にスライド。富樫敬真が負傷離脱している1トップはウーゴ・ヴィエイラと伊藤翔の二者択一だが、[4-2-3-1]ならば守備のタスクを理解している伊藤が先発ではないか。プレッシャーのかけ方が変わる[4-3-3]はウーゴ・ヴィエイラの負担を軽減する意味合いも含まれていたのだろう。

また、指揮官は代表招集されていた3選手のうちミロシュ・デゲネクの先発起用を示唆。チームの根幹を成すポジションであり、アクシデントがない限り簡単に入れ替える位置ではない。栗原やパク・ジョンスが絶好調ならば話も変わるだろうが、現状ではミロシュ・デゲネクが最も計算できる。疲労していてもスターターとして踏ん張ってもらわなければならない。対してダビド・バブンスキーはベンチスタート濃厚だ。

どの11人がどちらのシステムで並ぶか。疲労と負傷という二つのコンディションを見極めながらのゲームになる。交代枠3枚の使い方もポイントになるだろう。カードの切り方が慎重にならざるをえず、それが結果的に後手に回る要因になりかねない。正確な判断と決断が問われ、ベンチワークが重要になる。

と、ここまではすべてマリノスの事情でしかない。対戦相手を鑑みたとき、セレッソは日本代表の二人をはじめ個の能力に長けるプレーヤーが多い。間違っても下に見てはいけない相手で、慢心して勝てるチームではない。そのことを肝に銘じて臨むべきだ。

 

 

 

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