「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

背番号10がベンチにいることがこの試合の大きな焦点。今シーズンのターニングポイントかもしれない[Lカップ3節 新潟戦プレビュー]

 

 

2連敗中と苦境に立たされている。今シーズンからグループ3位までに入ればノックアウトステージ進出の可能性が残るとはいえ、明日の試合で勝ち点を取れないようだと厳しい状況に追い込まれる。「残り4試合で12ポイント取れば上に進める。だから1ポイントも落としたくはない」(エリク・モンバエルツ監督)。当たり前の話である。

 過去2試合は直近のリーグ戦から先発11人を総入れ替えした。だが今節は柏レイソル戦に先発した選手が数人ピッチに立つ。ウーゴ・ヴィエイラ、扇原貴宏、そして前田直輝。ウーゴと扇原は比較的出場時間が短かったことも先発する理由の一つだろう。また、前田は柏戦で消化不良に終わっており、プレータイムを確保することで本来のパフォーマンスを取り戻したい。

最終ラインは相変わらずの総入れ替えとなるが、この試合で山中亮輔がマリノスデビューを果たす。2週間前のヴィッセル神戸戦では途中出場濃厚に思われたが、試合展開とチーム事情によって出番なし。今節ようやくお披露目となる。「直接的にゴールに絡むプレーを見せたい。とにかく結果を出すことがすべて」とテンションは高い。

勝ち点3が求められる一戦で、ベンチには齋藤学が控える。サンフレッチェ広島戦と柏戦で不発に終わり、悶々としているはず。心配された右ひざの影響もなさそうで、切り札として出番を待つ。「ルヴァンカップは勝たなければいけない状況だし、自分としても試合に出たい」と気合いを込めた。

近況を考えると、あまりプレッシャーのかからない状況でピッチに立たせたい。リードしている状況ならば、それが可能だろう。仮にビハインドの展開ではゲームの流れとスタジアムの空気を変える役割になる。いずれにせよ背番号10がベンチにいることがこの試合の大きな焦点となり、もしかしたら今シーズンのターニングポイントかもしれない。

 

2月、チーム本隊と離れて別メニュー調整中の下平。視線の先には全体練習があった。

 

もう一人。長い間ピッチを離れていた下平匠が帰ってくる。ベンチスタートではあるものの、もし出場すれば昨年6月18日の1stステージ第16節・大宮アルディージャ戦以来、約10ヵ月ぶりのピッチとなる。背番号23がようやく帰還する。

 

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 あらためて筋肉系の故障は恐ろしいと感じる。ここまで離脱が長引くとは誰も想像していなかった。復帰しかけては再離脱の繰り返しで、見ている側も非常に辛かった。昨年終盤は今年の始動を目指して調整を進めたが、始動日数日後に離脱を余儀なくされる。タイキャンプでは気温30℃近い暑い陽射しを感じることなく室内で調整を行い、一人だけ肌の色が白かった。

リーグ戦が開幕してからも別メニュー調整が続き、3月中旬に入ってようやく全体練習に加わる。以降も焦ることなくじっくりとコンディションを上げてきた。はやる気持ちを抑えて、ゆっくりゆっくりと歩を進めてきた。こうして辿り着いた復帰戦が明日のアルビレックス新潟戦だ。試運転には違いないが、本人にとってはとても大きな一歩である。

チームとしても、個人としても、見どころが満載。今後のマリノスを占う重要な一戦を迎える。

 

 

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