「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「サポーターがたくさん入ってくれて、特別なユニホームを着て応援してくれたので自然と力が出た」(金井)他 [川崎戦後コメント]

 

【試合をふりかえって】

エリク モンバエルツ 監督

「予測はしていたが、川崎フロンターレという素晴らしいチームに対して、自分たちはポゼッションしてゲームを進めることはできなかった。しかし、同時にもう一つ予測していた展開がある。自分たちがしっかり良い守備をして、ボールを奪った後にスピードのある選手を生かしてカウンターを仕掛けるというもの。特に後半、まさしく予測していた展開どおりになった。川崎フロンターレという素晴らしいチームに対して2-0という結果は満足できるものだと思う」

 

――2列目の齋藤とマルティノスの位置を、左右入れ替えた狙いは?

「少し前から考えていた。チームとして、より効果的な攻撃をするためにどうすればいいかと考えたときに、マルティノスと(齋藤)学の位置を逆にしてやるというところが一つのオプションにあり、今日はその決断が良かったと思う」

 

――最後まで集中した守備ができたと思うが。

「川崎フロンターレ戦において良い結果を出すためには、良い守備をすることは絶対に必要なことだったので、そのための準備をしてきた。特に中央のゾーンをコンパクトにしてスペースをなくすこと、そしてラインとラインの間を狭くして相手にスペースを与えないことに気をつけていた。そして選手全員が私のゲームプラン、私の指示を守ってくれたことが、チームとしてのパフォーマンスにつながったと思う」

 

――攻撃面で、ハーフタイムにどのように修正の指示を与えたのか?

「前半の自分たちはあまりにもボールを失うのが早すぎた。チームとしてボールを奪った後、常に速攻を仕掛けることはできない。速攻をするのか、それともキープしたほうがいいのか、その使い分けの判断が大事になる。選手には、ボールを奪った瞬間に相手の強いプレシャ-がかかるので、そこで落ち着いてボールをしっかり持つことを要求した。後半は相手のプレッシャーが来てもボールを失う機会が減って、それによって自分たちがそこで一度プレッシャーをかわせたことで、前方向への攻撃のチャンスにつなげることができた」

 

――美しいゴール、特に先制点のシーンは、監督にとって理想的なものだったのではないか?

「もちろんセットプレーからのゴールというものも素晴らしいが、あのゴールは流れの中から決めたものだった。あの場面は、マルティノスが逆サイドの裏に良いポジションを取っていて、ワンタッチで折り返し、さらにウーゴのシュートもワンタッチ。ワンタッチが続いて生まれた素晴らしいゴールだった」

 

 

MF 10 齋藤 学

「清水戦ではマル(マルティノス)からウーゴ(ヴィエイラ)へのクロスがすごくて、それが戦術になった。僕の位置にも前田直輝がいて、自分も競争しなければいけない立場。けが上がりだからといって低調なパフォーマンスではいけない。ルヴァンカップは負けてしまったけど良いサッカーをしていた。リーグ戦に出ている自分たちがみっともないサッカーをするわけにはいかない。今年まだ1点も取れていなくて苦しい時期は続いているけど、自分が点を取ってまけるよりも、点を取れなくても勝ったほうがいい。(2点目は)自分が押し込んでやろうかと思ったけど(笑)。フロンターレに勝つというのは、内容よりも結果が大きな意味を持つ」

 

MF 8 中町 公祐

「残り25分くらいから足がつって大変だった(苦笑)。でもこの前の三ツ沢で負けた残像があった。試合の終わらせ方と危険なところで味方をどう動かすかを意識していた。いままでうまくいかなくなったときに、ピッチの中で対応できていなくて、監督が求めるものに固執してしまっていた。それは弱いチームの典型で、試合に出るためのプレーではいけない。勝つためにプレーできないと上の順位には行けない。今日はとりあえず(中村)憲剛さんのところを(天野)純とタカ(扇原)に見させた。エドゥアルド・ネットもボールを出してくることはリサーチできていたけど、やっぱり憲剛さんの縦パスや裏へのパスでウチのディフェンスラインが下がることのほうが怖かった。特に純に頑張ってもらった。ボールを持たれていても圧迫感や威圧感はあまり感じていなかった。ボールを持っているチームが主導権を握っているという見方もあるだろうけど、相手にボールを持たせてゲームをコントロールするという戦い方もある。今日のようにカウンターから点が入ると往々にして崩れていく。そういう意味で我慢勝ちだった」

 

 

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FW 17 富樫 敬真

「久々の試合だったけど、チャンスをもらえたので決めたかった。相手が(齋藤)学くんに引き寄せられていて、自分がフリーになるのはわかっていた。マルちゃん(マルティノス)とはコンタクトを取れていて、本当に良いボールが来たのでイメージ通りのゴールだった。でも自分は久しぶりの試合のファーストタッチで決められる選手ではないので、2回の肉離れから復帰させてくれたトレーナーに感謝したい」

 

MF 14 天野 純

「(齋藤)学くんに一度ボールを当てて、相手のSBがそちらにプレッシャーに行くことで自分の前にスペースができると思った。逆サイドのマルちゃん(マルティノス)が見えていたし、足が速いので少し前に出すことをイメージしていたら、うまく折り返してウーゴ(ヴィエイラ)が決めてくれた。今シーズン初めてイメージ通りの攻撃から得点できたので手ごたえがある。今日は相手が相手なのでこういうサッカーになってしまう。欲を言えばもっと圧倒できる試合をしないと上に行けない。それにしても今日の勝利は勝ち点3以上の意味がある。学くんとマルちゃんの調子が良かったし、ワイドの選手が攻撃の胆になることは変わらない」

 

GK 21 飯倉 大樹

「相手がいい形でボールを回していて、もう少し早いタイミングでアーリークロスを入れられたら嫌な場面は何度かあった。でもフロンターレの性質として、簡単にクロスを入れるのではなく最後のところまで崩してくる。そのときにウチが戻る時間ができて体を寄せることができた。相手に技術があることが、逆に自分たちにとって功を奏した。(2点目について)相手の裏にスペースがあって、(齋藤)学がそこを狙っていい動きをしてくれた。あそこに落とせばチャンスになると思ったし、うまくマル(マルティノス)に当たって(富樫)敬真が決めてくれた」

 

DF 13 金井 貢史

「自分は何もしていない。マル(マルティノス)には攻撃で力を使ってほしかったので、自分は守備しかしていない。この前のホームゲームの仙台戦での危機感があった。それに最近はずっと内容が悪くて、今日も決して内容が良かったとは思わないけど、勝って反省できるのは大きい。それに今日はサポーターがたくさん入ってくれて、特別なユニホームを着て応援してくれたので自然と力が出た。勝ち続けることで今日のような雰囲気のスタジアムを作れる。近くのフロンターレはそういうサッカーをしていると思うけど、自分たちは自分たちらしくやっていきたい」

 

MF 6 扇原 貴宏

「こういう展開になることはわかっていた。みんなで我慢強く守れて、ピンチもあまりなかった。プラン通りゲームを進められた。最後に2点目を取れたことも大きかった。相手はボール回しがうまいチームなので、食いついてスペースを与えないことを意識していた。スペースを消しながら最後のところで人に強く当たることができた。自分のタイミングで体をぶつけることもできた。しんどかったけど怖さはなかった。狙い通りと言えば狙い通りの展開にできた」

 

MF 20 マルティノス

「川崎に対して自分たちが予測をしっかりできた。相手はボール回しがとてもうまい。自分たちを疲れさせるような戦いをしてくると思っていた。でも食いつくことなく自分たちのチャンスを待って、そのチャンスでしっかりゴールが取れた。自分たちが1点取ったことで相手も点を取りに来る。相手の裏にスペースができて2点目を取ることができた。もっともっとゴールを決めてダメージを与えたかったけど、この勝利に満足することなく自分たちを見つめ直して次の試合に臨みたい」

 

DF 22 中澤 佑二

「今週はフロンターレにボールを回される想定で守備の練習をしてきた。ペナルティエリアの外は仕方ないので、エリアの中とバイタルエリアと(中村)憲剛のスルーパスに注意していた。クロスを上げさせてもいいけど、真ん中はしっかり閉じなければいけない。アーリークロスもあまりなかったし、相手は崩し切るイメージが強かったんだと思う。ウチとしては辛抱強く守るしかなかった。あとは点の取り方も良かった。チャンスが来るまで辛抱強く守っていくしかない」

 

 

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