「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

齋藤が抜けたポジションを争うのは前田直輝とイッペイ・シノヅカ [J28節 G大阪戦プレビュー]

 

 ヴァンフォーレ甲府戦で喫した黒星はいろいろな意味で痛かった。勝ち点3を失ったことで首位・鹿島アントラーズとの差は13ポイントに開いた。残り7試合でその2倍近い勝ち点差を逆転するのは、ほとんど不可能だろう。現実的ではないそろばんをはじくよりも、目の前の試合で一戦必勝を続けていくのみである。

 幸いにして2位以下の争いはまだまだ分からない。特に4位のセレッソ大阪とは同勝ち点で、直接対決も残されている。今節、セレッソは川崎フロンターレとの上位対決に臨むという事情もある。両方のチームが勝ち点3を得ることはありえない。いずれかは勝ち点3を失うか、あるいは痛み分けで勝ち点1ずつを分け合うかである。一戦必勝と言いながらも、今節は勝ち点3がほしくなってしまう。

 甲府戦で失ったのは勝ち点だけではない。齋藤学と金井貢史が負傷交代し、チーム本隊から離脱した。金井に関しては経過観察しながら再検査する模様で、まだ正式な診断結果が出ていない。齋藤については、既報のとおり全治8ヵ月見込みの重傷だった。ちなみに試合前日の今日、齋藤はグラウンドに出て日暮トレーナーとともにリハビリを行っていた。本人の言葉通り、前を向いてリスタートしている。

 

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 齋藤が抜けたポジションを争うのは前田直輝とイッペイ・シノヅカである。前日練習を見るかぎりでは前田が先発する可能性が高い。しかしながら甲府戦でデビュー戦ゴールを決めたシノヅカにもチャンスがあるだろう。アグレッシブに仕掛けていく姿勢は好感が持てる。ガムシャラにプレーする背番号37が新たな風を吹かせるか。

 

 金井が務めていた右SBはもちろん松原健に託すことになる。ちなみに遠藤渓太は2列目で起用されるかもしれないが、右SBの控えという意味合いも持っている。特に攻撃的に出たい時のカードとしてエリク・モンバエルツ監督は遠藤を投入するかもしれない。また、左SB下平匠も久しぶりにベンチ入りするようだ。

 そしてCBにも手を加える。指揮官は「決めかねているということはない。スタートはジョンスで行く」と明言した。甲府戦では凡ミスから失点に関与したミロシュ・デゲネクはベンチスタートとなり、ビルドアップに定評のあるパク・ジョンスが中澤佑二とコンビを組む。栗原勇蔵がレギュラー組に入る場面もあったが、コンディションを考慮してガンバ大阪戦出場は見送られた。

 相手がいま一つ調子の出ていないガンバ大阪とはいえ、地力上位のチームなのは間違いない。各ポジションに能力の高い選手が揃っており、簡単な試合にはならない。格下ではなく同等か格上と考え、ぶつかるのみ。4試合ぶりの勝ち点3をもぎ取り、再び上位争いでマリノスの名を轟かせることができるか。

 

 

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