「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「2012年から勝てていない歴史を覆したかったし、一人ひとりがすごく良かった。サポーターもたくさん来てくれて、優勝を目指す意味でも大きい」(天野)他 [鹿島戦後コメント] <無料>

 

【試合を終えて】

エリク モンバエルツ 監督

「予想していたようにとてもインテンシティの高いゲームだった。最初の20分、良い入り方をして、すごく良かった。自分たちがリードしたのはロジックだったと思う。その後ちょっと下がり過ぎた。そしてハーフタイムの直前にCKから失点したのは残念だった。後半はもう少し高い位置で守備をしようと選手に要求した。そして後半、良いスタートを切れた。ただ、鹿島のパワーに押された。再びCKから決められて同点に追いつかれた。自分たちはちょうど身長の高い選手に交代したが、そこで失点してしまった。ただ同点に追いつかれて、もう一度自分たちのプレーができるようになった。チャンスを作り続けて、それが得点につながった。その後はゴールをしっかり守るために栗原を投入し、ゴール前の競り合いや空中戦の強さを補強した。」

――首位の鹿島を倒した1勝の価値は?

「優勝を狙うチャンスが残るという考え方もできるが、私としては、とにかく1試合1試合しっかり勝っていくということを考えている。1試合1試合少しでもいいプレーをして、最大限のパフォーマンスを発揮し、このまま上位争いを続ける。そして最終的に少しでも上位に行きたいと思う。勝つことと同時に、我々には多くの若い選手がいて、彼らを成長させていくことも大事なこと」

――良い内容と言った序盤の約20分間は、どのようなゲームをしようと指示していた?

「鹿島が高い位置からプレッシャーに来るというのは予想していた。しかし我々はそのプレッシャーをかわすためのクオリティを持っている。前からのプレッシャーをかわせれば、背後に大きなスペースが空いている。そのためにワンタッチのプレーで何度かプレッシャーを外すことができた。そしてサイドチェンジなど、ワイドにいるアタッカーをうまく使って攻撃を仕掛けることができた」

 

MF 8 中町 公祐

「この大一番を勝利で終えられた意味は、(伊藤)翔や(下平)匠、あとはミロシュ(デゲネク)やダビ(バブンスキー)も含めて、彼らは最近あまり試合に出ていなかった。それがチームとしての底力になって勝てた。チームとしてやってきてよかったなと感じられる試合だった。早い時間帯に2点リードできたけど、受けに回るのが早すぎると難しくなる。自分の役回りとしてはディフェンスラインの前にいるということで、それを1週間ずっと言われ続けてきた。受ける時間帯もあったけど、そこではね返すということはある程度できたと思う。追いつかれてしまったけど、攻撃に関しては前半からまったく攻めていけないという感じではなかった。だからそれを信じてやるだけだった。大宮戦はチャンスを生かせなかったけど、今日は結果として点が入った」

 

MF 20 マルティノス

「相手はすごく強くて難しい試合になった。失点したのは彼らの強みであるセットプレーだった。でもチーム全体でこれだけ守れたことは誇りに思う。一人ひとりが負けたくないという気持ちを強く持って戦えた。内容は悪かったが勝つという意識を見せられた。それにプラスして、少ないながらもチャンスを作れたことも良かった。これで3位になったが、残り4試合も難しい試合が続くと思う。シーズンの終わりが近づいてけが人も増えてきて、人数が少ない。その中でもしっかり戦っていきたい。(負傷について)両ふくらはぎを痛めた。不思議な感覚になった。明日チェックしてみないと分からない」

 

MF 6 扇原 貴宏

「リードしている状況で入ったけど、すぐに失点してしまってプラン通りには進まなかった。本当は守備固めの意味合いで、マチさん(中町)をアンカーにして自分とキー坊(喜田)が前に並ぶ形だったけど、追いつかれたのでマチさんを前に出すような形に自分たちで判断して変えた。苦しい場面が多かったけどチームとして勝ち越しゴールを決められたことは大きい。リードしてからは(栗原)勇蔵さんが入ってきてシステムとしてはゴチャゴチャしていたけど、体を張って守り切ることはできた。けが人が出た中でもこういう試合ができたことはチームとして自信になるし、チーム力を示せたと思う」

 

GK 21 飯倉 大樹

「10回戦ったら9回負けるような実力の差があったと思う。でも1回目が今日に来た。ピンチはたくさんあったし、やっぱり鹿島は良いチームだなと感じた。他のチームよりもミスが少ないのが強さだと思う」

 

FW 16 伊藤 翔

「CKは昨日から感覚が良かった。(天野)純のボールも良かった。早い時間帯に点を取らないと体力が持たないと思っていた。個人的には問題しかなかった。感覚も体力も、何試合かやらないと本調子にはならない。鹿島は強いので守備の時間が長くなることは想定していた。でも前半は自分たち1列目が下がり過ぎてしまったので、後半は少し前で我慢するような形を取った。今年はけがをしている時間が長くて、その時にお世話になった人に恩返しをしなければいけない。ゴールと勝利を届けられてよかった。(ゴール後のパフォーマンスについて)ウーゴとは仲が良かった。終わったら『見ていたよ』としっかりLINEが来ていた(笑)」

 

MF 18 遠藤 渓太

「ピッチに入ってすぐにチャンスがあったけど山本選手に先に触られてしまった。だから出足だけは気をつけていた。ヤマくん(山中)はあのコースにパスを出してくれる。ターンは感覚的なプレーで、その後のシュートも、このあたりにゴールがあるだろう、という感じだけどうまく入ってよかった。ゴールを決めてからサポーターのところに走ったら誰もついてきてくれなかった(笑)。でも自分も日産スタジアムでゴールを決めたいと思っていた。大事な鹿島戦で決めることができてよかった」

 

MF 14 天野 純

「前日練習から(伊藤)翔くんとタイミングが合っていた。最近セットプレーから点が入っていないのは気にしていたし、蹴り方も試行錯誤していた。今いるメンバーと自分のキックがようやくフィットしてきたと思う。ゴールシーンの形は試合前からポイントだと思って狙っていた。GKとの1対1も冷静に決めることができた。2012年から勝てていない歴史を覆したかったし、一人ひとりがすごく良かった。サポーターもたくさん来てくれて、今日の勝利は優勝を目指す意味でも大きい。鹿島の独走をどこかが止めないといけなくて、それが自分たちでありたかった」

 

DF 23 下平 匠

「勝てたことはよかった。でもセットプレーから2失点はいけない。次のジュビロはセットプレーが得意なチームなので修正しないといけない。右SBでプレーするのは初めて。左サイドだと前の選手がタッチライン際に張っていなくてもコンビネーションで崩せる。でも右の場合はそれができなくて難しいけど、マル(マルティノス)も(遠藤)渓太も少し張るような形でボールを受けてくれて、それでやりやすかった。個人的には夏前くらいからけがは治っていたし、もっと試合に出たい。それだけ」

 

DF 22 中澤 佑二

「首位のチームに勝ったことがとにかく大きい。まだ優勝をあきらめたわけではないし、内容なんて関係ない。勝ったことが一番大事。シュートをたくさん打たれて、(伊藤)翔も含めて前線の選手もよく守ってくれた。2-0が一番危ない中で、2-2にされてからも攻めの姿勢を崩さなかった。(遠藤)渓太はスピードを生かして鹿島のCBに勝負していったし、彼なりの良さを生かしていたと思う。ACL出場圏内の3位になって、良いモチベーションで磐田との2連戦に臨める」

 

 

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