1トップの適正をさぐる [練習試合YSCC戦レポート] (藤井雅彦) +樋口監督インタビュー
【練習試合リザルト 対YSCC(JFL)戦】
日時:2月24日(日) 11時~
形式:45分×2本
結果:1-0(1-0、0-0)
得点者:25分齋藤学(マリノス)
【一本目】 | 【二本目】 |
3月2日の開幕戦に向けて、マリノスが予定していた練習試合は宮崎キャンプ中も含めて始動日から計11試合。その最後を飾ったのが24日のYSCC戦である。実質的には前日のソニー仙台戦が主力組が出場する最後の対外試合だったが、このYSCC戦でもあらためて1トップの適性をテストするという意味で藤田祥史が起用され、後半はレギュラー争いに食い込みつつある端戸仁も同じポジションで出場した。また、左足首の負傷によってコンディションが万全ではない齋藤学も左MFで先発出場。齋藤についてはパフォーマンス云々よりも良化途上にある状態をチェックするという点で意義のあるゲームとなった。
試合そのものを評価するならば、結果はともかくとして個々がある程度持ち味を発揮したのではないか。CB田代真一は特徴をアピールするという意味でロングフィードを迷いなく前線へ送り、左SB比嘉祐介はアグレッシブな攻め上がりを再三見せた。得点こそ齋藤学のPKによる1得点のみだったが、そのPKを獲得したのは藤田のポストプレーと比嘉の効果的なサポートによるところが大きかった。中盤では熊谷アンドリューがテンポを変えるようなプレーを見せ、これには樋口監督も「前半はチームとして単調だった。アンドリューはハーフタイムに言ったことを後半実践してくれた」と満足気な表情を浮かべている。個々の名前を羅列するのはここまでとするが、少なくともネガティブになるような内容ではなかった。
ただし、レギュラー組を脅かすようなパフォーマンスを見せた選手がいたかといえば、そうではない。前出の比嘉や右SBのジョン・ドンホはドゥトラや小林祐三にない特徴を発揮し、可能性の一端を見せた。だが現状でレギュラーの両SBをベンチに追いやるほどのインパクトはなかった。
これは彼らだけの問題ではなく、チームマネジメントにも起因している。分かりやすい例が前日の端戸だ。レギュラー組に混ざった端戸は攻撃センスの高さをいかんなく発揮。もちろん彼個人の能力や努力もあるが、同時に周囲のフォローがあったことを忘れてはいけない。端戸自身はこう語っている。「マルキやシュンさん(中村)はやっぱりすごい選手なのでやりやすい」と。優れた選手と時間やスペースを共有することで、仮に劣っている選手も能力を引き上げる。必死に食らいつこうとする本能が特に若手を成長させる。端戸のようなケース
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