苦悩の時間の先に熊谷アンドリューの未来がある [連載企画:Players column vol.2](藤井雅彦)
湘南ベルマーレと対戦した開幕戦でのこと。ボランチのポジションには昨シーズン終盤に不動となった富澤清太郎と中町公祐のコンビがピッチに立った。両者と宮崎キャンプから激しくポジションを争った小椋祥平、そして2年目の熊谷アンドリューはいずれもベンチスタート。一時はリードを許すも逆転して迎えた最終盤、樋口靖洋監督は小椋祥平の名前を呼び、ピッチへ送り込んだ。熊谷に出番は訪れなかった。
すると翌週の第2節・清水エスパルス戦、熊谷は遠征メンバー18人から漏れてしまう。試合前のスターティングメンバー発表後、筆者の携帯電話に関係者からのコール音が鳴り響いた。
「アンドリューがメンバーに入っていないけど、どうしたの? けが?」
慌てた様子でそう問われたのだが、なんということはない。ただメンバーから漏れたのである。その理由を樋口監督が明かした。
「練習試合で悪かったわけではない。でも(佐藤)優平のほうがアグレッシブにできていたし、守備では小椋がいた。それと喜田のパフォーマンスもとても良くて、ユーティリティーな面を考えるとサイドでも使える。そういったところで総合的な判断だった」
だが、こうも付け加えた。
「あいつ(熊谷)はもっと良くなる。もっとできるという見方があるだけに、無難にプレーしているように見える。そういうところでプレッシャーをかけていったほうがいい」
ベンチ外は期待の表れ。だが当人はなかなかそう思えない。熊谷は肩を落とし、
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