赤鯱新報

【赤鯱短信】日本生活7年目のダニルソン、実は…。(946文字)

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明日のG大阪戦で久々に戦列復帰を果たしそうなダニルソンだが、気付けば日本でのプレーも7年目であり、ずいぶんと日本の文化にも慣れた様子。中でも最近、長足の進歩を遂げているように感じるのが語学だ。

コロンビア出身のダニルソンの母国語はスペイン語。スペイン語はポルトガル語に少し似ているため、もともと同僚のブラジル人選手たちとはコミュニケーションを取れる状態にあった。語学は話そうとする意欲が習得の度合いを左右する。ダニルソンはその意欲がどうやら旺盛だったようなのだ。

まず第一段階として、昨季限りでチームを去ったジョシュア ケネディとのコミュニケーションを取るため、独学で英語を勉強した模様。最終的にケネディとは英語で難なく話すようになっており、またスペイン語を話せない筆者が通訳の不在時に話しかけても、すらすらと英語で説明してくれたものだった。だが、実は筆者は英語も得意ではない。英語で説明してくれても、細かいニュアンスがつかめないことも多かった。

するとダニルソンが今季、さらなる進化を遂げたのである。

日本語でコミュニケーションが取れるようになったのだ。もちろん堪能な、というレベルではないが、日常会話ならば十分に会話が成り立つ。少なくともこちらの言っている内容はすべて理解しているようで、自分から話す方にやや不便がある程度というレベルだ。実はここ1週間で赤鯱新報に載せたダニルソンのコメントは、全て1対1の会話で得たものだったりする。

だから今、ダニルソンとのコミュニケーションが楽しい。日本語と、少しの英単語で話す。「足は大丈夫?」と聞いたら「内転筋、ちょっとね」と返した時にはびっくりしたが。「内転筋」て…。

そのことを高橋健通訳に聞くと、「あはは。どうやら『内転筋』は憶えたみたいですね」と笑って教えてくれた。「ダニは英語も独学ですし、やっぱりコミュニケーションを取ろうと努力しているみたいです。しかも、『勉強しすぎて通訳の仕事を失くしてもいけないし…』なんて気も遣ってくれるんです(笑)」とも。

ダニルソンは日本語を理解している。だからぜひ、熱い声援を送ってほしい。そしてもし練習場に来ることがあれば、日本語で激励の言葉をかけてあげてほしい。驚くほどはっきりした日本語で、返事をしてくれるはずだ。

reported by 今井雄一朗

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