【名古屋vs広島】レビュー:指揮官の秘策と選手のハードワークが生んだ最高の結果。名古屋が今季リーグ初勝利を挙げ、広島へのリベンジも同時に果たした。(2939文字)
■2015明治安田生命J1リーグ 1stステージ第5節
4月12日(日)名古屋 2-0 広島(14:00KICK OFF/豊田ス/15,080人)
得点者:45+2′ 川又堅碁(名古屋)、86′ 矢野貴章(名古屋)
※公式記録・西野監督のコメントはこちら(名古屋公式)
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相手への対策、自分たちの戦術、役割分担、ゲームマネジメント、ハードワーク、闘争心、そして決定力。今まで足りなかったものが、全て揃った完勝だった。際立ったのは自他ともに認める強力な個の力と戦術がマッチしたこと、そしてダイナミックさと連動性が両輪となって噛み合ったことだ。
この快勝劇を生み出すべく、西野朗監督は二つの策をチームに授けていた。一つはセットプレーのディフェンス戦術、もう一つは対広島用のフォーメーションだ。前者は全てマンツーマンで対応していたペナルティエリア内にいわばゾーンの意識を持ち込んだもので、田中マルクス闘莉王を中央に配置しボールへの対応を一任。相手選手にはそれぞれマーカーをつけることで、選手とボールの動きをバランスよく追うことが可能にした。
そして後者が今回の最大の勝因だ。キックオフ時の名古屋の布陣はベーシックな4-2-3-1だった。DFラインは右から矢野貴章、竹内彬、闘莉王、本多勇喜であり、ダニルソンと矢田旭が中盤の底に、2列目は右から小屋松知哉、松田力、永井謙佑が並び、1トップには川又堅碁。だが、これは偽りの布陣だった。実際は「最初から3バック。最初はそう見せかけただけ」(本多)だったのである。実際の並びは3-4-2-1。竹内、闘莉王、本多のDFラインにボランチコンビはダニルソンと矢田、ウイングバックの左右が永井と矢野で、2列目に松田と小屋松、1トップに川又という布陣だった。目的は広島の変則布陣にこちらの布陣をマッチアップさせること。そのディテールは以下のようになる。
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