赤鯱新報

【赤鯱短信】GK陣の大爆笑の理由。野村政孝恐るべし。(753文字)

9月10日の練習レポートでGK陣がアップ中に爆笑している写真を掲載したが、今回はその内幕を披露したいと思う。

結果としてはショッキングだった天皇杯2回戦での敗戦直後、チームには少し微妙な空気が流れつつも、その日の練習は始められた。いつも通りに監督の話があり、GKとフィールドプレーヤーが別のトレーニングに分かれていく。

4人のGKたちはまずそれぞれ思い思いのストレッチを交えながらのランニングを繰り返すのだが、そこで前日に公式戦デビューを果たした野村政孝が珍発言をしたのだ。

「いや、僕が『意外に疲れるもんですね』って言ったらみんなから『お前、それはフィールドプレーヤーの発想やぞ』『俺たちの仕事をナメとんのか』って言われたんです(笑)」(野村)

西野朗監督をして「大物ですよ」と言わしめる男の真骨頂である。ちなみに楢崎正剛に聞くとさらにこんなことも言っていたらしい。

「アイツ、『昨日の試合でこれなんだから、この前のナビスコでのG大阪2連戦とかヤバいっすね』とか言うんですよ。だから言っておきました。お前もやっとオレを敬うようになったかと(笑)」(楢崎)

もちろん野村が先輩たちを尊敬していないかといえばそうではなく、単なる天然発言である。野村とは「半歩は前進したかな?」「4分の1歩くらいですかね(笑)」とデビュー戦の手応えを話し合ったが、間もなく600試合出場を達成しようとしている鉄人はちと手厳しい。

「半歩?いやいや、まだまだですよ。スパイク一足分どころかアヒルの一歩です」

楢崎のユーモラスな表現は愛情の裏返しである(裏返っていないかもしれないが)。先輩のすごさを身をもって思い知ったにしては豪快すぎるエピソード。これを大爆笑できる名古屋のGKチームはやはり、結束力がある。

reported by 今井雄一朗

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