赤鯱新報

【赤鯱短信】野村政孝考案「グーキック(仮)」とは!?(848文字)

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毎度毎度の野村政孝ネタ、今回はプレースキックについてである。彼がキックを苦手にしていることは知る人ぞ知るところ。「高校の時にはショートパスでさえうまく蹴れなかったんですよ。パワーはあっても蹴り方がヘタで、ロングキックもハーフラインまで飛ばないくらい」と言うくらいだから筋金入りだ。だからこそ試合日のセカンドチームの練習ではフィールドプレーヤーと同じメニューをこなすことも多く、前向きにキック改善に取り組む姿は実に好印象だ。

しかし野村は大学時代、チームメイトたちとキックの研究を重ねてもいたという。テーマは「どうしたらプレースキックを遠くまで飛ばせるか」。当時の駒沢大は戦術としてロングキックが多く、まずはFWを目がけて裏のスペースに蹴るのが第一目標だった。そのためGKのトレーニングは筋トレも多く、ひたすらに長いボールを蹴るメニューに時間を費やした。

「その頃はつなぐことはなくて、とにかくFWが競れるボールを蹴ればよかったんです。だからGKはみんなして長いボールばっかり蹴っていましたね。2時間くらい余裕で蹴り続けてましたよ(笑)。そこから足とボールの当たる角度、たち足、当てる箇所、ひざ下の振りなども研究したんです」

体育会系ならではのフィジカルな研究方法である。しかし無駄にはならなかった。

「そこで見つけたんです。飛ばすには、蹴り足の指をグーにするといい。オレはそうしていますし、ニシさん(西村弘司)も、『これ飛ぶな』と言ってくれて、いまやっているみたいです(笑)。ナリさんは『オレは無理だわ』って言われましたけど」

さっそく西村に確かめてみたところ「確かに飛ぶ気はするんですよね」とその効果を証言してくれた。まだまだ精度には改善の余地が大きく残されている野村のキックだが、その飛距離は目を見張る。そしてその飛距離が「グーキック」で出されていると思って見ると、観戦の楽しみが増えるのではなかろうか。またサッカー少年・少女たちは、一度試してみるのも面白いのでは。

reported by 今井雄一朗

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