赤鯱新報

【無料掲載】9/29練習レポート:“600ゲームウィーク”ついに始動!指揮官もプレッシャー?をかける中、当の本人は「そっとしておいてほしい。貴章も300試合なんだから」と器の大きさを見せた。(1901文字)

柏戦へ向けたトレーニングがいよいよスタートした。オフ明けということもあり、序盤はじっくりとジョギングや体幹トレーニングで選手の体に刺激が入れられた。

柏戦へ向けたトレーニングがいよいよスタートした。オフ明けということもあり、序盤はじっくりとジョギングや体幹トレーニングで選手の体に刺激が入れられた。


「3~4試合前から“前人未到”って言ってやっているんですよ(笑)」

西野朗監督は楢崎正剛の大記録を目前に控え、守護神にこう声をかけていたことを明かした。今週末、土曜日の柏戦に出場すれば、まさしく前人未到の600試合出場に到達する楢崎のためにも、必勝を期する1週間が始まった。

オフ明けの今日はゆったりとしたジョギング、ストレッチ、体幹トレーニングと徐々に体を起こすようなメニューから始められ、最後はフォーメーションシュートで締め。ここでも田中マルクス闘莉王はFWの位置に入っており、起用は継続されることが示唆された。磯村亮太が出場停止で懸案事項であるボランチの位置にはひとまず矢田旭が入る形で展開されたが、西野監督は「あまり動かしたくはない。一つ動けば二つ動いてしまう」とコメント。つまり矢田を動かせばサイドハーフの代役を探さねばならないため、神戸戦で良い感覚を得たチームを維持するためにもボランチの補充という選択肢を考えているということ。そうなれば第一候補として有力な望月嶺臣は、「今のやり方はイメージしやすい」と意欲をたぎらせていた。

練習中、ドクターから報告を受ける西野朗監督。負傷者はいまだ多く、田中マルクス闘莉王のFW起用も継続の見込みだ。

練習中、ドクターから報告を受ける西野朗監督。負傷者はいまだ多く、田中マルクス闘莉王のFW起用も継続の見込みだ。

しかしこの日の練習では一つの不安要素も。川又堅碁がウォーミングアップの後、全体練習から離れて一人シュート練習に励む姿が見られた。本人は「全然大丈夫」と語ったが、指揮官によれば神戸戦の当日、夜中に気分が悪くなったとのことで、その日は入院。昨日のオフにも体を動かし、本人は問題なしをアピールしたが、脳震盪に対するリーグ規定もあるため大事を取ったとのことだった。しかし「明日フィジコに任せて、明後日入れるなら入れる」(西野朗監督)とのことで、川又も「規定にのとってやります。問題ないですよ」と、次節への出場を視野から外さなかった。

川又堅碁はウォーミングアップの後、一人シュート練習に励んだ。神戸戦当日の夜中に脳震盪後のような症状が出たとのことで、大事をとってのこと。本人は「全然大丈夫。心配かけてごめんね!」とこちらを気遣う余裕まで見せた。

川又堅碁はウォーミングアップの後、一人シュート練習に励んだ。神戸戦当日の夜中に脳震盪後のような症状が出たとのことで、大事をとってのこと。本人は「全然大丈夫。心配かけてごめんね!」とこちらを気遣う余裕まで見せた。


練習後の監督取材では楢崎の600試合に話題がおよび、西野朗監督は独自の視点で彼を称えた。
「2年足らずの付き合いだけど、ユース時代から彼のことは見ていますからね。サッカーに向き合う姿勢と向上心が違って、追求する力がすごくある。それで過剰に自分ですべての責任を負ってしまうところもあるんです。GKはついつい人のせいにしてしまいがちなポジションで、失点の瞬間、DFやボールサイドにいた選手に怒るタイプのGKは多いでしょう?でもナラは自責に感じてまずは自分を修正し、周りを修正していく。少ないタイプの選手です。GKというのはスペシャルなポジションで、どんなにコンディションを整えても失点を食らってしまうことがある。それを自分の責任にしてしまうのはものすごいストレスですよ。GKはもちろんリスペクトするし、フィールドプレーヤーでもあの姿勢は見習うべきではないですかね。オレもね、3~4試合前から“前人未到”って言ってるんですよ。『そんなこと言わんでください』って一蹴されてるけど(笑)」

しかし指揮官の言う通り、こうして誰もが称える偉業を目の前にした楢崎自身はといえば平常心どころの謙虚さではない。「そっとしておいてくれと(笑)。これ、今週ケガしたら怒られるんちゃうかと思ってしまいますよ」と別角度の心配をする始末だった。ちなみに柏戦では矢野貴章が300試合出場となるため、「オレは貴章の300試合をお祝いします」と器の大きさを見せつけられもした。

600と300の記念日まであと4日。神戸戦の勝利とお祝いムードで、チームの雰囲気も上々だ。

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