赤鯱新報

【鹿島vs名古屋】レビュー:オープンすぎる打ち合いの“1-0”に、次代への期待が膨らむ。名将のエッセンスを受け継いだ名古屋の選手たちは、この敗戦から飛躍への階段を上りだす。

■2015明治安田生命J1リーグ 2ndステージ第17節
11月22日(日)鹿島 1-0 名古屋(13:33KICK OFF/カシマ/25,151人)
得点者:54′ 中村充孝(鹿島)
試合ハイライト(スカパー!公式)
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西野朗監督による2年間の指揮の中で、この終盤3連戦が最もその哲学を体現していたのではないだろうか。G大阪時代、取られても取り返す、取ったならさらにとどめを刺しに行く、という超攻撃的な姿勢をチームに植え付けたJ1歴代最多勝監督は、名古屋では守備の整備とメンバーのマネジメントに忙殺され、真価を発揮することは遂にできなかった。だが、アウェイでのシーズン最終戦で見せた名古屋の戦いぶりは、何かを吹っ切ったかのようにひたすらゴールへ向かう気迫にあふれていた。

キックオフから45分、15分のハーフタイムを挟んでまた45分、計90分の試合時間が、こんなに短く感じることもなかなかない。優勝の可能性を追求するため、とにかく前へ出てきた鹿島に対し、名古屋の守備ラインは引くことを選択せず、前線もそれを信じて必要以上に守備に加担しなかった。1トップの川又堅碁を頂点に、トップ下の田中マルクス闘莉王と両サイドの小川佳純、永井謙佑ら攻撃陣が常にゴールを目指してランを繰り返したことで、試合は前半から目まぐるしく攻守が交代。決定機も名古屋が2度、鹿島は4度とゴールに肉薄するシーンが次々と生まれ、この日名古屋での通算500試合出場を決めた楢崎正剛のビッグセーブなども含め、観客席は沸きに沸きつつ瞬く間に45分が経過した。

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