赤鯱新報

【田口泰士物語:やなわらばー!】沖縄でキャンプをする、意味。

あっという間に最終回。僕の沖縄ガイド、楽しんでもらえたでしょうか。せっかく南風原、沖縄でキャンプをやるんだから、大好きな沖縄のことをもっと知ってほしくて、頑張りました(笑)。

最後は沖縄でキャンプをするってことの意味について。オレにとって、沖縄にサッカーのチームが来るということはものすごく特別なことなんだ。だからこうしてグランパスだけでなく、いろんなJリーグのクラブがキャンプに来るようになって、今の子どもたちがすごくうらやましく思う。

オレが子どもの頃は、Jリーグといえばテレビで見るものだった。ジュビロやアントラーズ、エスパルスとかが強かったからか、よく試合が放送されていた。でも沖縄は試合を観ようにも車で何時間か行けば、というところにないから、テレビの中だけの世界だった。

でも、今はキャンプを通じて、いろんなチームや選手が沖縄に来てくれる。子どもたちはサッカー選手になるって夢を持ちやすくなったよね。自分もそうだったから、そう思う。前にも書いたけど、オレは子どもの頃、吉田恵さん(FC岐阜コーチ)が沖縄に来てくれて、一緒にサッカーをしたことでサッカー選手になりたい、って思った。今の子どもたちは自分たちの頃では考えられないくらい当たり前にキャンプを見に行って、サインをもらって、そう思っているんじゃないかな。

ちなみにオレの子どもの頃の沖縄のサッカーといえば沖縄かりゆしFCだった。ラモス瑠偉さん(FC岐阜監督)がいた頃のね。監督兼選手でさ、もうかなりのベテランだったから運動量は多くないんだけど、交代で出てきたら絶対にボールを取られない。メッチャ上手かったな。他にも比嘉リカルドさんとかね。実は去年、トゥさんとご飯を食べた時にいて、会ったんだよね。ラモスさんや比嘉さんにも、影響を受けたな。

だから今、自分がプロサッカー選手になって、沖縄の子どもたちの視線を感じることはある。沖縄の人って、沖縄出身の選手がいまどこにいるかをよく知っている。自分や我那覇和樹さん、赤嶺真吾さん、みんなのことを。それで頑張ろうと思える。一昨年は日本代表に自分が選ばれたことで、全国に沖縄出身の選手が知ってもらえる機会が増えたとも思っている。自分が沖縄出身の選手たちを見て、プロになりたいって思って頑張っていたから、より自分もいっそう頑張ろうって思える。

オレは沖縄に育ててもらったからね。沖縄のためにっていつも思っている。だから、こうしてグランパスがキャンプを沖縄でするようになって、本当に嬉しい。練習環境も本当に良いし、今年はもっと良くなっている。まあ、南風原が地元に近いってこともあるんだけどね(笑)。油断するとキャンプの気がしてこないから気を付けないと。そして、張り切りすぎないように気を付けないと。練習が終わって、そのまま実家に帰ってしまわないように気を付けながら、今年もキャンプを頑張りたいと思います。

ひとまず僕と沖縄の思い出話はこれで終わり。まだまだ話したりないから、終わらないかもしれないけどね(笑)。

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おまけ。

もし今度の沖縄キャンプに来る人がいたら、自分がよく行く穴場スポットを教えちゃいます。「瀬長島」ってところなんだけど、ここは空港に向かう飛行機が真上に見られるんだ。きっとびっくりすると思うよ。本当に真上を飛行機が飛んでいくし、ものすごく近いから。今はリゾートホテルがある素敵な場所になっているんだけど、昔は森とかだったから、「これ、ボール投げたら当てられるんじゃね?」って言って、野球のボールや石を空に向かって投げてた(笑)。絶対届くわけないんだけどね…。

reported by 今井雄一朗

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