赤鯱新報

【杉森考起ミニインタビュー】「来季は本当に頑張らないといけない、追い込まれた中での生活がしたい」

“名古屋の至宝”が悩んでいる。いまだ明確な体制が見えてこないチームの中で、選手たちの去就は未だ流動的だ。今季でプロ選手として3年間を過ごした杉森考起もまた、納得いかない自分のパフォーマンスに表情を曇らせ、オフにもたった一人でボールを蹴り、不安をかき消そうとしている。「まだオフがありますね。やることがないですよ…」。伸び盛りの19歳はそれでも何かを上積みしようと、ピッチに足を運ぶ。そしておぼろげながら、将来の自分について考える。

だが、20歳を前にした逸材が思うことはシンプルこの上ない。「試合に出たい」。選手として、そして熱望する日本代表への道を切り開くため。杉森考起はあらゆる可能性を否定しない。燻るその特大の才能は、爆発する時を待ち望んでいるのだ。

■泣くほど悔しいと思えるほど自分はチームに貢献できなかった。そのことの方が悔しい。

Q:このオフのトレーニングで何かイメージしていることはありますか。
「イメージですか?最近あまりドリブルができていなかったので、そのイメージを取り戻せるように、ボールをたくさん触るようにしました」

Q:この3年間、自分のプレースタイル確立に苦労してきましたね。
「確かに。自分でもちょっと自分のプレースタイルがあまりわからないところはありますね」

Q:以前の話では、小学校の頃、つまり得点を多く取っていた頃のイメージが良いということでした。
「いや、あまりイメージは残っていませんね。忘れちゃった。あの時はFWだったので。しかもみんなパスをしてくれたので、というところもありましたし」

Q:これでプロ生活3年間が終わろうとしています。自分の適性ポジションは見えてきましたか。
「いや、全くないです。ユースまでは真ん中もやってたんですけど、そこでも全然やっていませんし。西野さんの時はツートップみたいな形でもやっていたんですけど、今季1年はサイドしかやっていません。何というか、ドリブルばかり意識していたから、前はもっと周りを使って突破みたいな感じだったんだけど、それも少なくなってきています」

 

Q:自分で何とかしなければ、というプレーばかりになっている?
「サイドではもう、とりあえず仕掛けるということを最初に考えているから、自分の良さは消えたかもしれませんね」

Q:やはり受けてははたいて進んでいくというプレーが合っている?
「それです。そこでたまに仕掛けるというのが相手にとっても一番嫌だと思うんです。でも受けてはたいてとやると、なかなかボールが返ってこないです」

Q:杉森選手の場合、ドリブルの使い方は相手をけん制する感じの方がいいですよね。
「はい、どっちかって言ったらそっちだったんですけどね。仕掛けて、抜いてとかあまり得意な方ではなかったし、ドリブルで何人抜き、とかするタイプではないです」

Q:パスでつないで前進して、シュートの局面にいる、という感じの方が…。
「それっすね、イメージとしては」

Q:高校生からプロに混じってプレーすると、フィジカル差などもあってスタイルを出しにくいところもあったかと思います。
「確かに。やっぱり一番は試合ですね。サッカーは。3対3をたくさんやっても、フットサルをやるわけではないし、それが生かされる部分はあると思いますけど、試合をやった方が良いと思いますね」

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