赤鯱新報

【2016シーズン全選手レビュー】小屋松知哉:悩んだ末に扉を開いた21歳は、飛躍の道を愛する故郷に求める。


22小屋松知哉
1stステージ4試合出場(50)
2ndステージ2試合出場(79)
ナビスコカップ予選リーグ4試合出場(252)1得点

移籍することは薄々感じていた。チームが完全オフに入った12月初旬、新品の段ボール箱をいそいそと持ち帰る小屋松知哉を見かけていたからだ。もちろん、それが身辺整理のためとは限らない。単純に市内で引っ越しをするために持ち帰る選手もいれば、単に部屋の整理のために持ち帰る選手もいる。しかし、「自分が成長できる選択をしたい」とこぼし、このタイミングで段ボール箱を持ち帰る選手からは、少なくない可能性が感じられた。ちなみに笑い話としては、とある11月のチーム練習で永井謙佑が「『とりあえず家から通います』って高校生か!」とツッコんでいたのを聞いたこともあった。永井はその後、「紅葉のスペシャリスト」という異名を小屋松に授けてもいた。紅葉とはもちろん、小屋松の大好きな生まれ故郷、京都は嵐山にちなんだものである。勢いあまって「もみじくん!」まで短縮していたことには爆笑を禁じえなかったが。

冗談はさておき、小屋松もまた、悩みに悩み抜いた1年だった。ゼロからのスタートとなったシーズンで、まずタイでの一次キャンプで負傷。軽度の肉離れの症状だったが、小倉体制は筋肉系の負傷に対してはやや慎重に過ぎる部分があり、タイはおろか沖縄でもろくにトレーニングに参加できない状況が続いた。
名古屋に戻ってようやく練習に復帰した小屋松を待っていたのは、チームの新戦術における高い要求だった。

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