赤鯱新報

【クラブニュース】引退を発表した西村弘司がクラブスタッフとして再出発!

昨年12月15日。トヨタスポーツセンターの第1グラウンドが使える今季最後の日に、西村弘司が別れを告げに来ていたことは既に書いた。だが話には実は続きがあった。グランパスの選手としての最後の練習は、プロサッカー選手としての最後の練習でもあったのだ。
「現役を続けるというよりは、終える方向ということになります」

契約満了から再契約を勝ち取った昨季オフから1年間、常に意識の片隅にあった大きな決断を、下す時が来ていた。そういえば昨オフは一昨季のように連日のオフ返上トレーニングもせず、トライアウトにも出なかった。クラブハウスには頻繁に来ていたが、治療と室内での練習のみに留めることの方が多かった。「まずは治す方をね」と話していたが、何としても現役続行をという昨年のような強い意欲よりは、引退という選択肢を確実に意識した時間になっていた。

だが、彼にとっても我々にとっても朗報だったのは、クラブが西村に対して社員としての“オファー”を送ったことだ。名古屋に9年間所属し、再契約してなお選手会長に推されるほどの人格者には、愛着のあるクラブを違う角度から支える仕事が用意されていた。それが「マーケティング部広報グループ」への配属、つまりは広報スタッフとしてセカンドキャリアを始めるというわけである。人あたりの良さ、調整力、人望、そして選手からの信頼感。どれをとっても適任である。

これからも西村とともに戦える。それは実に喜ばしいことだ。西村は広報グループ配属に伴い、「選手との関わりが一番多い部署なので、しっかりとコミュニケーションを取りたいですし、選手の気持ちもよくわかります。元選手としての自分の良さを活かせると思っています」とコメントしている。選手会長から広報担当へ。西村の活躍に期待したいところだ。

そして以下は昨年末に行なった西村との最後のインタビューの模様である。人生において大きな決断を下した“滅私の守護神”の、最後の言葉に耳を傾けてほしい。

〇西村弘司選手
Q:1年前から引退は意識してきたわけですが、いざ決断してからの心境は?
1年前だったけど、いざ契約がなくなったら、やっぱりちょっと続けたい気持ちも正直あったし、その部分で自分の気持ちと現状、置かれている立場とかを考えて。まあ、リーグが終わるのが早かったから時間はあったんだけど(笑)。とりあえずは待ったけど、その話はなかったので。

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