赤鯱新報

【若鯱通信】第9回:U-18注目選手インタビュー 菅原由勢「“ワールドカップで日の丸を背負った”誇りを胸に、次のステージへ」<後編>

「本当はまだインドにいる予定だったんですけどね」
帰国以来、日に日に増していく悔しさを押し殺すように、彼は笑った。
U-17日本代表の主力選手として戦った“ワールドカップ”の舞台は、
大器のモチベーションをさらにかき立てる刺激に満ちていたという。
菅原由勢の次なる戦いは既に始まっているが、そのためにも聞いておきたい。
世界を相手に闘った経験が、彼にどんな変化をもたらしたのかを。

<前編はこちら>

「相手はビッグクラブ所属選手。やるしかない、って思った」

Q:今まで経験してきた国際大会などと比べても、会場の雰囲気などを含めた環境は違いましたか。
例えばホテルから会場に向かうまでのポリスエスコートがすごくて。日本で言えば1号線みたいな大きな道路が移動の時には止められていたりとか。会場などの警備員の数もすごかったですし、ホテルにしてもそうでした。自分たちも外を少し散歩しようとしたんですけど、「危ないからホテルの敷地内から出ないでくれ」と言われて。警備の面のすごさも感じたところでした。

Q:ホテルからは一歩も出られなかったんですか?
フリーの時間が少しあったんで、スタッフの方からは「散歩に行ってきてもいいよ」と言われたんですね。じゃあ行こうか、という感じで出ようとしたら、裏口まで警察の人がいて、「ショッピングモールに行ってもいいか」って聞いても「ダメだ。危ないから行くな」と。隔離されていましたね(笑)。

Q:そのホテルは大きなところだったのですか?
FIFAが用意してくれたホテルだったので、敷地内に娯楽施設もあるような大きなところでしたね。まあ、外に出られないぶん、選手同士でのコミュニケーションが取れたりミーティングする時間を取れたりもしたので、プラスに捉えて過ごしていました。

Q:そうした機会は試合後などに設けていたのですか。
だいぶ、やりましたね。毎試合、終わった後にみんなで試合の映像を見るんですが、その時には全員がものすごく喋りましたし、大会の中で成長していけるチームが強いという考え方が僕を含めて代表選手の中にはあって。そのためにはみんなが平等にみんなに意見を言えるようにしようとしていたので、そのこともあって話す機会は多かったと思います。それは良かったことですね。

Q:菅原選手はその中でも特に話してそうな感じがしますね(笑)。
みんな同じぐらい喋るんですけどね(笑)。いろいろと整理しながら話していくので、例えば守備陣は何が言いたい?という時には僕も話しますし、という感じで。役割があったので、それに従ってという感じでした。

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