赤鯱新報

【讃岐vs名古屋】レビュー:42試合目で得た手堅い勝利。成長は次戦の爆発につながる“導火線”となるか。

■2017明治安田生命J2リーグ第42節
11月19日(日)讃岐 0-2 名古屋(16:03KICK OFF/ピカスタ/7,994人)
得点者:26’シモビッチ(名古屋)69’櫛引一紀(名古屋)
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手堅く勝点3を奪いきる。チームの大部分が納得はしても満足はしない内容で得た最終節の勝利は、彼らの地力が上がったことを意味するものでもあった。21位に沈む讃岐という相手に試合の大半を支配し、ほぼ毎試合欠かさず訪れる嫌な時間帯も粘り強く耐えしのいだ。押し込まれる時間帯の印象の悪さから万事が良しという試合とは言えず、狙っている中央の崩しの形もなかなか実現しなかったが、それでも無失点に抑えつつ先制し、追加点を奪って勝負を決めた戦いにはある種の安定感も感じられた。完璧には程遠いが、及第点よりはずっと上。42試合を通して積み上げてきたチームは、“取りこぼすことなく勝った”と表現できる戦いをするようにはなった。

11月中旬の讃岐は寒く、ピッチは荒れ気味のコンディションだった。ボールが走らないピッチでどれだけパスを走らせ、持ち前のリズムを刻んでいくかはシーズンを通しての課題だったが、それも克服したとはいえないまでも、貫くだけの適応力をチームは見せた。序盤こそパススピードが上がっていかず、相手の足に引っ掛かる場面も多かったが、乾いたピッチには強いパス、風間監督言うところの「当てていく」パスですぐに対応。ボランチの小林裕紀と田口泰士がそこに緩急を加えていくことで、試合の主導権はあっという間に名古屋が掌握することになった。しかし自陣で分厚い3ラインのブロックを敷いた讃岐の守備はなかなかに堅く、「サイドに相手を寄せることはできた」(和泉竜司)ものの、そこからゴール前に侵出するまでには至らずにいた。

それでも名古屋が主導権を握り続けていられた理由の一つが、セットプレーである。

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