赤鯱新報

【若鯱通信】第10回:U-18注目選手インタビュー 杉浦文哉「代表には食らいついていく。そしてグランパスU-18がいるべき場所へ、自分が引き上げる<前編>

9月の大阪合宿、そしてカタール遠征、10月から11月にかけてはモンゴルへ。
今年は継続してU-18日本代表としての活動を続けているのが、グランパスU-18のキャプテン杉浦文哉だ。
再来年のU-20ワールドカップを目指す一人の選手として、またプレミア昇格を目指すチームの主力として。
素晴らしい経験と良い研鑽を積み続ける逸材はいま、充実の高校最終学年を過ごしている。

「U-18代表は“上手い”より、“強い”チーム」

Q:このところU-18日本代表に継続的に招集されていますね。この前のモンゴル遠征はものすごく寒かったとか。
寒かったです(笑)。一番寒い時でマイナス15度とかでしたから。もちろんそんな寒さは初めての経験でした。

Q:代表チームとして防寒対策は万全だったのですか?
防寒対策はそんなに…。塗ると暖かくなるクリームは塗りましたけど、そんなに特別なことはやらなかったです。寒いとは聞いていたんですが、でも想像以上でしたね。マイナス15度まで行くとは…。

Q:では本題に。モンゴルでの経験はどのようなものでしたか。
今回はU-20ワールドカップの一次予選だったので、その意味ではまず代表に入れたことがすごく嬉しいですし、メンバーも来年からプロになる選手が多いので、その中でプレーできることもすごく楽しかったです。

Q:プレーそのものについても手応えはありましたか。
その時はケガもあって最後の試合にしか出られなかったのですが、前にあったカタール遠征や大阪での代表合宿では自分としても納得いくプレーができました。チームとしてのやり方についてもできた感触はあったので、手応えはありましたね。

Q:現状のU-18日本代表の目指すサッカーとは?
“上手い”チームではなく、“強い”チームですね。一人ひとりが頑張って、ハードワークもして、切り替え早く球際を戦う。そういった監督のやり方についてはいつも言われています。相手をそこで上回るチームですね。今年のグランパスはフォーメーションも同じですし、守備のやり方や攻撃にも似ている部分は多かったので、僕はやりやすいところがありました。

Q:菅原選手も同じようなことを言っていました。アンダーカテゴリーの代表チームとして一貫したものなのでしょうか?
それは僕にはわかりませんが、ただ由勢の話を聞いていると同じようなやり方なので、そういうこともあるんだと思いますね。

Q:杉浦選手のようなタイプは、その中に違いを生み出す意味でも重要だと思いますが。
そうですね。攻撃の部分では特に、自分の特徴を出していければ良いと思っていましたし、チームに還元できる部分はあったと思います。ドリブルだったり、自分で行くところと味方を使うところであったり。

Q:代表チームの課題はどこにあると見ていますか?もちろんその中での自分の課題もあると思いますが。
チームとしては得点力はすごく高いんです。カタール遠征の時は特にそう思ったんですが、得点は取れても終盤とかに簡単に失点してしまったり、守備で耐えきれなかったことが多かったです。アジアのレベルでそれをやっていると、ヨーロッパや南米のチームと戦った時にはフィジカル的にもやられてしまうと思います。守備ではもっと組織的に連動して守らないと、と思います。個人としては1試合を通しての体力の面で、守備の時にもっと走れるようにとか、危ないと思ったところに戻るところを少しサボってしまいがちなので。攻撃ももちろんですが、守備でももっと反応して走れるようにしたいです。


Q:大会中に調整できる状態とはいえ、負傷含みでも予選に選ばれたというのは自信になる部分では?
そうですね。1試合、2試合目も出ようと思えば出られたんですが、最終戦の相手が(グループ最大のライバルである)タイということもあって、そこに合わせてやっていこうということをスタッフから言われて。そこに合わせてスタメンで使ってもらえたことには、少し自信がついたところもあります。

Q:やはり継続して代表活動があると、日々の過ごし方や感じ方にも違いがあると思います。
確かにそうですね。代表チームとグランパスでは意識の持ち方がまるで違うので。チームに帰った時にどれだけ続けていけるかというのが、これからも選ばれ続けるためにも大事なことです。

Q:そのギャップについてはどう消化していきましょうか。
技術的な部分ではそんなに変わらないと思うんです。違うのは試合の勝負所を見極める部分や、時間の使い方とか、頭の部分でもっと考えて、頭の回転を速くしていかないといけない部分は感じているので。そこは自分で意識していけば良い部分です。でも、気兼ねなくやってみんなでレベルアップしていけば良いとも思っています。

Q:その意味ではグランパスのレベルの高さも感じるのでしょうか。
いや、まだまだ代表の方が、細かい部分でのレベルは高いですし、要求されることのレベルも代表の方が高いです。

Q:今後の活動などはどう見据えているのでしょうか。
次は2月ごろに代表の活動があると聞いているので、そこに入れるように頑張っていきたいですね。

Q:U-20ワールドカップは具体的な目標ですか。
まずは来年のアジア最終予選のメンバーに入ることですし、その予選を突破することは難しいと思います。個人的にはそこで選ばれるようにしたいです。今年は代表が自分と同じ高校3年生の代だけで構成されていたので、来年からは下の世代からも選ばれるようになってきますし、これからの方が競争も激しくなってきますから。プロになる選手はもっとレベルアップしてくると思いますし、自分も食らいついていけるようにしていきたいです。

<後編へ続く>

reported by 今井雄一朗

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