赤鯱新報

【名古屋vs川崎F】プレビュー:J1王者に挑む真っ向勝負。似て非なる“兄弟対決”の行方はどこに辿り着くか。

■明治安田生命J1リーグ第4節
3月18日(日)名古屋vs川崎F(19:00KICK OFF/豊田ス)
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これは“兄弟対決”ではないらしい。風間八宏監督は「今の自分の“息子”は名古屋の選手たち」と発言し、古巣・川崎の選手たちを「かわいい選手たち」と表現したが、「見ているところはまったく違う」とその類似性は完全否定したからだ。それは選手たちも同様で、和泉竜司が「参考になる部分は他のチームより多かった」と語る程度。風間スタイルを継承し、鬼木達監督のアレンジが加わった昨季に念願のリーグ優勝を果たした強豪は良き手本ではあっても目指すところではないということか。あるいは意識するところが強いのは、むしろ“親父”から一人立ちした川崎の方が強いのかもしれない。

ただ、観戦する分にはどう見ても“風間ダービー”である。中村憲剛、小林悠、谷口彰悟、車屋紳太郎、大島僚太、そして今季は大久保嘉人も川崎に帰還している。風間監督が手塩に掛けて代表クラスにまで鍛え上げた選手たちが、自分たちと同じ道を歩んだ名古屋の選手たちとついに実戦で相まみえるのだ。試合内容と勝負の行方だけでなく、ピッチ上の22名のプレーの見え方にも、何やらコントラストのようなものを感じてしまう可能性は十分ある。それは昨季、「日本代表の試合を見ていて、『あ、ボール止まってるな』という目で見てしまいますね」と笑った和泉の感覚と趣を同じくするものだ。名古屋はまだ個もチームも未完成の集団である。質の部分において見劣りはしないだろうが、川崎にできて名古屋にできていない動きやプレーが目に付いても、決しておかしくはない。それは名古屋がJ1に昇格したからこそ抱くことのできる観戦ポイントの一つであり、同時に彼らの可能性を示すものでもある。

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