赤鯱新報

【磐田vs名古屋】レビュー:試合運びの巧みさと爆発的な得点力で磐田を粉砕。名古屋の進化が止まらない。

■明治安田生命J1リーグ第25節
9月1日(土)磐田 1-6 名古屋(19:03KICK OFF/ヤマハ/13,647人)
得点者:12’金井貢史(名古屋)55’前田直輝(名古屋)68′ 和泉竜司(名古屋)70’ジョー(名古屋)86′ ガブリエルシャビエル(名古屋)90′ ジョー(名古屋)90+4′ 大井健太郎(磐田)
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夏も終わろうかと涼しさも漂う磐田のスタジアムで、まさか花火大会が見られるとは思わなかった。しかも後半の45分に得点を集中させたスターマインのような計6得点は、チームのさらなる進化を感じさせる内容によってもたらされたものだから、なおさらに華やかだ。ゲームの支配力を高め続ける集団はこの日、圧倒するだけが能ではないと言わんばかりの素晴らしい試合運びを体現した。6得点で相手をひたすら叩きのめしたかといえばそうではなく、むしろ上手く立ち回って効率よく加点したというのがこの爆勝の内実だ。だからこそに強さを誇示したチームは、7年ぶりの7連勝で順位を11位にジャンプアップ。気づけば想定される残留ラインが、もう目の前に見えてきている。

試合の流れ、相手の戦い方、自分たちの状況。そうしたサッカーの機微とでも言うべきものに、チーム全体として敏感に戦えたのが勝因の大きなところだった。例えば磐田は前半に9本、後半に10本ものシュートを放ち、それ以上にチャンスを作ったが、ゴールネットを揺らせたのは後半アディショナルタイムの一発だけ。決定機は得点の他に少なくとも7度はあったはずだが、そのどれもが得点には結びつかず、チャンスメイクは未遂に終わっている。それが自分たちのミスであったかといえばそうとも限らず、むしろ名古屋の守備に阻まれた色合いの方が強い。得点にばかり目が向きがちな試合だが、守備の安定なくして語ることは禁物だ。

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