赤鯱新報

【名古屋vs長崎】レビュー:敗因は慢心か、あるいは妄信か。自分たちの強さとは何かを再認識させられた、惜敗にも似た大敗。

■明治安田生命J1リーグ第26節
9月15日(土)名古屋 3-4 長崎(18:04KICK OFF/パロ瑞穂/18,477人)
得点者:8’鈴木武蔵(長崎)30’前田直輝(名古屋)48′ ジョー(名古屋)53’鈴木武蔵(長崎)56′ 鈴木武蔵(長崎)70′ 中村慶太(長崎)89′ ジョー(名古屋)
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全ては自分たち次第。風間八宏監督がそう言い続けてきたチームが躓くとき、その理由はやはり自分たちの足元に転がっていることになる。リーグで破竹の7連勝を記録していたチームが、5連敗中の最下位に敗れるのだから相当に大きな石でも落ちていたのだろうが、名古屋はある種盲目的な進軍の中でそれを見落とし、転倒した。アウェイでの敗戦も思えば似たような展開だったことを思い出す。相手のチーム戦略に飲み込まれ、自分たちらしさを失い、個に頼る。メンバーは入れ替わっているはずなのに、不調時のチームの悪癖が顔を見せたのはチームに大きな教訓を与えるものだったと言えるだろう。「そこまで自分たちが強くなかったことを、長崎は証明してくれたんじゃない?」。惜敗にも似た大敗に、玉田圭司は苛立ちを隠さなかった。

相手の策略にはめられたのか、自らはまりに行ったのか。ニュアンスの問題になってくるが、そう仕向けられたというのが妥当な表現だったように思える。長崎は前回対戦時以上に名古屋を研究し、良さを消す術を練りに練ってきていた。昨季の対戦時から有効だったボールホルダーへの激しいプレッシャーと、それに連動する周囲の守備は常にハイプレスというわけではなく、タイミングを合わせるという部分に重きが置かれていたように見える。前から行ける時は行き、合わせられないなら一度引いてチームの呼吸を一つに整える。ハイプレス対策として想定できるロングフィードへの最終ラインの反応も速く、縦パスは5-4-1の「5-4」のブロックが分厚く阻む。名古屋はそれでもエドゥアルド ネットや丸山祐市が個人技で縦パスを通していったが、足の長いパスにはDFも反応しやすく、ジョーや前田直輝がボールを収めてもすぐに囲まれボールを奪われた。

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