【赤鯱短信】それは度胸か、はたまた天然素材か。藤井陽也の見せた輝きと、真摯な想い。
話題沸騰すぎて試合後には取り付く島もなかったので、改めて藤井陽也のことを考えてみたい。昨年のルヴァンカップのアウェイ広島戦を思い出すに、腹の据わった男だとは思っていたが、それにしたって上出来なリーグ戦デビューだったと思う。現に、藤井は言うのだ。「自分の持っているものを全部出せば、あれぐらいはやれると思っていました」と。そしてしっかり出せたのだと、飄々とした口調で付け加える。
中谷進之介はそれを「度胸があるのか、何も考えてないのかのどちらかだと思う」と言った。そのニュアンスはどちらかと言えば後者でしょ、と言っているように聞こえた。ブラジル人選手たちが馴染みがなさ過ぎてどう呼んだものかと思案したぐらいに突然の抜擢だったG大阪戦の藤井は、立ち上がりはやや不安定なプレーや不用意なパスも目立ったが、すぐに持ち直してチームの一員になってみせた。個人的にこれは、と思ったのは33分のシーンだ。アデミウソンにクサビのパスが入ったところでぐいっと身体をボールとアデミウソンの間に割り込ませ、ボールをかすめ取ったプレーである。「ああ、あれはこっちに来るかなと思って。いや、絶対こっちだなと思って予測ができました」。控えめの発言の後に本音をポロリ。にっこり笑う“はるちゃん”は、堂々としたピッチ上での立ち居振る舞いと普段のギャップがかなりあってこちらもほっこりしてしまう。
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