赤鯱新報

【赤鯱短信】新たに加わった二つの視点。宮原和也の変化に目を凝らせ。

目線を変えれば見えてこなかったものが見えてくる。ぼんやりと感じていたものも、はっきりとした輪郭を持つようになる。風間八宏監督もしばしば選手のポジションを意図的に変えて成長を促すが、つまりは発想の転換が持つ力の強さは決して小さくないということだ。主力と呼ばれる選手も固定されたポジションを持たず、フォーメーション変更によってその位置を変えることは日常茶飯事。ところがごく最近、“ピッチのどこにいるか”だけではない視点を偶然にも体験し、決意を新たにするに至った選手が現れた。

その男とは、宮原和也である。リーグ前節をレッドカードによる出場停止で欠場し、FC東京戦までの1週間をサブ組として過ごした。パロマ瑞穂ではピッチはおろかベンチにも入らず、首位との一戦をスタンドから観戦している。もうお分かりだろうが、要するに宮原は“紅白戦の対戦相手”と、“スタンドから俯瞰で”という二つの視点からチームを見つめる機会を得たのである。ある意味で第三者的な立場からとらえてみた現在の名古屋というチームに、彼は様々なことを感じたという。その刺激の大きさは、寡黙な男を少しだけ饒舌にもさせるほどだった。

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