赤鯱新報

【2019シーズン全選手レビュー】ジョー:苦悩は見せず、チームにその身を捧げた鉄人ストライカー。

7 FW ジョー
リーグ戦32試合2830分出場6得点
カップ戦5試合196分出場2得点

点を取らなければ批判の的になるのがストライカーのさだめである。ましてや昨季の得点王には同等かそれ以上の活躍も期待されるのだから、当人の苦労も心労も想像するに余りある。ブラジル代表にまで上り詰めたスター選手にとっては周囲からのプレッシャーは慣れたものでも、得点から遠ざかっている事実としっくりこない自分の感覚についてはストレスだって溜まる。今季のジョーはひたすらに「チームのために」「チームが勝てばいい」と繰り返したが、もしかすればそれは苛立つ自分をなだめるための言葉だったのかもしれない。

開幕戦には間違いなく“フェノーメノ”がいた。相手の守備陣を無力化するターンシュートと、DFを跳ね飛ばすようにチャンスボールへ突っ込んでいった重戦車のごときヘディングシュート。前体制が最も重要視していた個の力をわかりやすく見せつけ、今季もエースここにありを大々的にアピールした。チームも好調の波に乗り、2節から6節まではジョーのゴールなしで勝ち星を重ね、背番号7が今季5点目を決めた11節浦和戦までを7勝2分け2敗の好成績で突き進み、上位を争った。2試合に1点ペースは悪くない流れで、この時期にはまだ「自分の得点でチームに貢献したい気持ちは強いし、FWの役割はゴールだから決めたくもある」と話していたが、その“得点欲”が薄れていったような今季の低調ぶりは、やはり5月22日の“事故”が一つの要因であったことは否めないところだ。

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