赤鯱新報

【赤鯱探訪】氏原良ニ編②「教えるのはサッカーの原理原則と、本質」

オールドファンには懐かしい顔ではないだろうか。名古屋グランパスの育成組織出身で、トップチームの選手、スクールコーチ、そしてアカデミーコーチと様々な現場で活躍した。これだけのキャリアを経験した“グランパス関係者”は彼ぐらいのものだろう。引退後は主にジュニアユース世代の指導者として実績を挙げ、昨年は豊田市の街クラブでも結果を残している。「自分は愛知に多くの“後輩”がいると思っている」と語り、今年からは普及も含めた新たな事業を立ち上げた。指導歴10年を数えるいま、グランパス出身の叩き上げ指導者が思うことは何か。強い使命感と築き上げてきた指導論からは、氏原良二というサッカー人の強い熱を感じた。

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Q:教える者として大切にしていること、それをつかんだきっかけは何でしたか。
「何をどう伝えていいか、わからない時期が2~3年あったんです。何をすべきかはわかっていても、今この瞬間に何を言うべきか、どの言葉が良いかがわからなかった。そこから本や資料を読み漁って、DVDなども観漁って、良い言葉やキーワードを見つけて、その瞬間にこう言ったら良くなったとか、この瞬間にはこう言ったけど全然響かなかった、そもそも話が長すぎて選手が聞けていないとか実践を重ねて…。それでも『こう伝えれば良かったな…』という上手くいかない日々が続きました。自分の中に“これ”という指導の軸がなくて、練習をやっていても自分にやりがいが出てこなかったし、上手くいかないなって思うばかりです。でもある時、週に3回の連続で同じトレーニングを行なった時、より意図が浸透するやり方を見つけたんです。これをしっかりシステムにして作ってみようと思いました。まずはグランパスのU-15でのコーチ最終年にやって、違うチームでも試したかったので新潟に行って、そこで自分のシステムとして完全に構築してやってみたところ、U-13の北信越サッカーリーグで14試合の総得点が76で失点が20という歴史的な結果が出たんです。得点にこだわってやってきた成果で、僕のシステムはここからスタートしました。それを今度は豊田の街クラブ、オステンFCに持ち込んだところ、1年目はシステムの提供だけだったんですが、2年目の昨年は自分が担当するチームをもって、シーズンで負けはゼロ、引き分けも一つで総得点45、失点が3だけとここでも圧倒的な数字を出せたんですね」

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