赤鯱新報

【名古屋vsG大阪】プレビュー:勝利の落ち着きをまとった名古屋は、さらなる地力の強さをホームで表現する。

■明治安田生命J1リーグ第3節
7月8日(水)名古屋vsG大阪(19:30KICK OFF/豊田ス)
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油断も隙も見せず、楽観も皮算用もしない慎重派の指揮官に率いられたチームは、とても落ち着いている。再開初戦の清水とのゲームを勝ちで終われたことも大きかったが、それも内容に手応えあってこそだ。闇雲にもぎ取った勝利には安堵こそあれ、次につながる要素は相対的にも少なくなる。前節の試合後、「次の得点を取れなかったのはまた次回の課題として、ここからこうやっていこうという戦い方はできたんじゃないかと」とフィッカデンティ監督が話すに至ったチームは前向きで、かつ冷静にピッチを俯瞰する。

現状を飲み込むことが、逆に名古屋を奮い立たせている部分もあるのかもしれない。何度も話題にされる2週間の停滞は、再開前にはハンデに思わず邁進する姿勢を見せていたが、今は少しだけその立ち位置を異なるものにしている。「引き続き“足りないんだ”という部分を意識しながらやっていきたい」というフィッカデンティ監督の発言は、結果的に良い再開の仕方ができたチームに対する戒めのようにも聞こえた。とりわけコンディション面でこの後にどんなリバウンドが待っているかわからない今、「3週間で追いつけた」と考えるのではなく、「まだ劣っている」という意識を持つことは確かに重要だ。一歩引いた視点は選手に自らの身体との対話を促し、要らぬリスクを遠ざける。今までに経験のないシーズン方式に、試行錯誤はこれからだとするのも危機管理意識の表れだ。

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