大久保嘉人に見る、ベテランの味わい方(J論)

赤鯱新報

【札幌vs名古屋】レビュー:チームの信頼感も後押しした守護神のビッグセーブ。敵地で負けない底力は、名古屋に次なる勝利を導く。

■明治安田生命J1リーグ第13節
8月29日(土)札幌 0-0 名古屋(19:03KICK OFF/札幌ド/3,479人)
得点者:-
———–
まるで動じていなかった。微笑すら浮かべて、試合後の指揮官は「勝点2を逃したというのが正確な言い方なのでは」と振り返る。試合の流れからすれば薄氷のドロー劇で、守護神ランゲラックの活躍あっての勝点1ではあったが、その結果が出た以上は試合内容からしてノルマは果たしたというところか。選手もことさらに勝点2を失ったという悲観的な表情は浮かべず、かと言って何とか拾った勝点1に特別な価値を見出すこともない。マテウスは「ミッチなら止めてくれると信じていた」と言い、その本人も「“できる”と信じることだ」と迷いのかけらもなかった。勝つことを覚え、勝ち方を覚え、勝点の重みを正確に感じ取れるようになった集団にとって、札幌戦の内容と結果はつまり納得のいくものではあったのだろう。

前半2本、後半に5本しかシュートを打たれていないスタッツを見れば、それも確かに頷けるものではある。対する名古屋は前半8本、後半はやや半端な打ち合いになったせいか3本と減少したが、守備で札幌をコントロールできていたのは事実だ。攻撃時に変形する“ミシャ流”3-6-1とのミスマッチは、高い位置を取るウイングバックにサイドハーフを下がらせて対応。ボールを奪ったあとの速さが出せないデメリットもそこには生じたが、「今日の対戦相手だからこそこういう判断を」(フィッカデンティ監督)とチームは割り切っていた。変にスライドや特殊な連係で綻びを生むくらいなら、攻撃面での多少の不利益は致し方なし。マテウスの馬力で補えるところは補いつつ、失点のリスクを極力避けて戦う心積もりは固めて臨んだ試合だった。

(残り 3088文字/全文: 3832文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック
1 2
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック